営業に行くのはいいけど、いつも上手く話せなくて悩むことってありますよね。
せっかくアポイントが取れたのに、話が続かず直ぐに商談が終わってしまい、そのまま失注することもあるかもしれません。
そんな悩みを解決するためには、営業の効果的な話し方を身に着けることが重要です。
営業の効果的な話し方を身に着けるだけで、成約率をアップできる可能性があります。
この記事では、話下手の方でも出来る心構え、商談準備の仕方、これだけは押さえておきたい4つの大事な話し方のコツを解説。
色々な話し方のテクニック論はありますが、営業を30年以上続けた筆者の考えとしては、話し方において最も大事なコツは4つだけです。
4つであれば、マスターするのもそこまで時間はかかりません。
ぜひこの記事の内容を全てマスターして、日々の営業活動に役立ててください。
目次
営業は話し方がなぜ重要性なのか?
営業はお客様に商品やサービスなどの説明をして売るプロです。
商談で一番重要なことは、信頼を得たうえで、商品やサービスが顧客にどんなメリットがあるかを、しっかり伝えることです。
顧客にしっかり伝えるための、効果的な話し方について学びましょう。
話し方は営業プロセス全てに響く
営業活動は、商品やサービスを買ってくれそうな見込み客を見つけて、面会することから始まります。
見込み客に会うためには、直接訪問する、または電話でアポイントを取って訪問する、というプロセスがあります。
アポイントを取る時
アポイントを上手く取るためには、「話し方」がとても重要になります。
初めて電話で話す相手ですから、失礼が無いよう最大限注意して話しましょう。
特に敬語を間違って使うと、その時点でアウトになる可能性があります。
実際の電話では、簡潔に自己紹介をしてから、面会の趣旨を端的に伝えて相手の反応を待ちます。
その際、ゆっくりと、そしてはっきりと話しましょう。
相手からよい返事をもらえない場合は、しつこく話をせず、改めてアポイントを取りましょう。
最初の信頼を得る時
面会が決まったら、いよいよ営業本番です。
最初のアイスブレイクや雑談で、効果的な話し方ができるかどうかで、商談の先行きが決まります。
面会が初対面の場合は、この雑談タイミングの第一印象が重要です。
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商談して提案する時
視覚的な印象が大きく影響しますので、ビジネスマナーを守って、相手に不快な思いをさせないよう身だしなみには十分注意しましょう。
その上で商談に臨みます。
具体的な話し方については、この後の章で詳しく説明しますが、話し方だけでなく、姿勢や声のトーンに気を付けることも大切です。
猫背でうつむき加減、低く陰気なトーンで話したら、相手はどう思うでしょうか。
意識して背筋をのばして前を向き、ワントーン上げて話す練習を、事前に重ねておきましょう。
営業は話し方が下手でも大丈夫?
営業活動では、話下手は不利に働くのでしょうか。
立て板に水のように、セールストークをすらすらとしゃべった方が良いのでしょうか。
話下手の方が信頼される時もある
真摯にしっかりと話ができれば、話下手でも口数が少なくても、熱意は相手に伝わりますし、むしろ信用される場合が多いのです。
相手の信頼を得られること、「この営業なら大丈夫」と思われることが一番重要です。
一方、いくらすらすらとしゃべっても、顧客に何も伝わらなければ、単なる自己満足型の営業であり、意味がありません。
それこそ、パフォーマンス重視の胡散臭い営業と思われるかもしれないのです。
ただ、全く話ができなくては困りますから、何度も練習したり、ロールプレイングで本番のシミュレーションをしておきましょう。
また、取扱う商品やサービスについて、ポイントをおさえた説明ができるようにしておきましょう。
口下手でも、事前学習をしっかりして、自信を持って話ができればそれで十分なのです。
「第二の準備」で土壇場を乗り越える
もう一つ準備したいのが、第二の準備です。
ちゃんとアポイントの時間に合せて訪問しても、予定通りにならないこともあります。
事前に準備をしていても、それを変更しなくてはならないケースです。
相手に急用が入って商談時間がほぼ無くなったり、1対1かと思ったら何人もの前で話すことになったりするのです。
ここで慌てて失敗しないための準備が第二の準備です。
一般的には「切り返し話法」なんて言われることもありますが、商談相手は敵ではないので「切り返す」必要はありません。
第二の準備は、起こりそうな事態を想定して、相手にあわせた準備をすることです。
例
- 「時間が無い」と言われたら、PRしたいことを3~5ポイントにまとめたリーフレットを準備しておいて、簡潔にポイントを言いながら渡す。
- 「自分でなく、みんなの前で話して欲しい」と言われたら、パソコンやタブレットまたはカタログでプレゼンする。
- 「忙しい」とアピールされたら、次のアポイントを取って素直に出直す。
第二の準備も、いつでもプレゼンできるよう、社内で何度か練習をしておきましょう。(できれば練習時にスマホなどでビデオ撮影をして、良くない点を修正できると効果的です。)
要は応用問題ができるようにしておくことです。
経験値が上がれば、難なくできるかもしれませんが、最初の内は意識して準備をしましょう。
くり返し実行すれば、それが自信となり、営業スキルが向上します。
営業の話し方がグングン良くなる4つのコツ
冒頭で営業の話し方で最も大事なのは4つであると述べましたが、ここから具体的に掘り下げていきます。
顧客に会って、話して、契約をもらうために、営業は日夜努力を惜しみません。
契約をもらう近道、それは顧客から信頼を得ることです。
この営業は信頼できる、頼りになると思われることが何より大切です。
話し方に悩んでいる営業の方は、まずはこの4つを徹底してマスターしてみてください。
1. ペーシング
ペーシングは、短時間で信頼関係を築くためのテクニックです。
初対面の相手に、一方的に話をしても受け止めてもらえません。
プレゼンではなく会話をするのですから、ちゃんと話を聞いてもらうためには、相手に合せることが重要です。
これを「ペーシング」と言います。
相手の話し方に合わせて話すことが重要です。
先ずは、相手と同じスピードやテンポで話しましょう。
例えば、自分がゆっくり話しているのに、相手が早口でまくしたてたらどうでしょうか。
また、相手が自分よりゆっくり話してばかりいるとイライラしませんか。
ゆっくり話す相手には、それに合わせてゆっくり話せば、相手にとって気持ち良い会話となり、好意を持ちやすくなるのです。
ペーシングをすることで、会話が盛りあがるだけでなく、何より話をしっかり聴いてもらえるようになります。
こうして信頼関係ができれば、セールストークも伝わりやすくなるのです。
2. バックトラッキング
口下手だ、話が続かないという営業でも、好感度を上げるコツがあります。
それは聞き上手になることです。
聞き上手は営業の基本の1つで、特に初対面の相手から多くの情報を得る重要なテクニックです。
そのために、相手が話している言葉の一部を復唱、つまり繰り返して話しましょう。
これを「バックトラッキング」と言います。
バックトラッキングとは、「オウム返し」のことです。
簡単な方法ですが、相手は自分の話をきちんと聞いてもらっていると感じます。
自分のことを認めてもらっていると思うのです。
一方、相手の言葉を言い換えたり、やんわりと否定されると、あまり良い気持ちになりませんよね。
聞き上手になるためのバックトラッキングですから、相手の言葉の一部をコピーして、疑問形式で聞き返しましょう。
例えば、相手が「最近は血圧が気になっている」と言えば、「血圧が気になるのですか」と聞くのです。
これを受けて相手は「そうそう、実はさあ…」と、さらに多くの情報を話してくれるかもしれません。
営業活動でダメなことは、こちらのセールストークを十分したから商談が進んだと思い込むことです。
これでは、顧客のニーズや気持ちが何も反映されていません。
バックトラッキングを使って、相手のニーズや思いなどの情報を収集し、それに合わせるセールストークを展開して、契約に結び付けましょう。
3. 相手にあわせて対話する
初対面でできることは限られていますし、時間も十分に取れない場合もあります。
初めて聴くセールストークですから、内容がてんこ盛りだと、相手の処理能力を超えてしまい、よく理解できず不満が残ります。
せっかく信頼関係を築こうとしているのですから、セールストークも相手の状況に合わせて、ワンポイントにしたり、詳しく話したり工夫が必要です。
ここで重要なことは、無理に説明を詰め込まずに、次回のアポイントを取ることです。
初対面で直ぐに契約できればとても素晴らしいことですが、そうでなくても落ち込む必要はありません。
次のアポイントがスムーズに取れれば、また話を聴きたいという意思表示なので、初回の営業活動としては及第点です。
積極的に商談の機会を作って、契約を勝ち取りましょう。
4. 自信を持って話す
営業活動で信頼を得るコツは、自信を持って話すことです。
シンプルですが、これが最も重要かもしれません。
信頼とは信じて頼むわけですから、頼りにならない営業に大事なことを任せるはずはありません。
そんなことを言っても、何時でもどんな場合でも自信を持つことは難しいですよね。
要は、相手から自信が無いと思われないように、話すことができれば良いのです。
自信をもって話すための重要なポイントを、ここでは2つご紹介します。
A: 商品知識を自分の物にする
どうすれば、自信を持った話し方になるのでしょうか。
先ずは、売込もうとする商品・サービスのことを熟知しなくてはなりません。
営業のプロであり、顧客の前では会社の代表なのですから、商品知識が無いと自信を持って話せません。
だからと言って、隅から隅まで全部覚える必要はありません。
よく把握していないことを聞かれても、相手が不安に思わないよう、はっきりと行動で示せばよいのです。
例えば、細かなスペックについては、カタログの何処に何が載っているかを、把握していれば十分です。
タブレットを持っているなら、顧客の目の前でキーワードを検索しても大丈夫です。
また更新商談の場合には、顧客の方が製品に詳しかったり、他社情報を把握しているケースがあります。
その時は、「詳しくないので是非教えてください」と正直に言って、お願いしても構いません。
それで自信が無いとは思われないですし、顧客のプライドをくすぐるセールストークとしても機能します。
B: 断定して話す
自信を持った話し方は、「断定する」または「言い切る」ことです。
先に言いますが、断定口調は自信過剰に見られる場合がありますので要注意です。
それでも、営業の話し方では断定して話すことがとても効果的です。
直前文書の「・・・とても効果的です」を、例えば次のように表現したら、相手はどのように受けとるでしょうか。
例
「たぶん効果的です」
「効果的だと思います」
「たしか、効果的です」
「効果的かもしれません」
「効果的と言われています」
これらの表現を多用する営業から、商品やサービスを買おうと思いますか。
このトークでは、全く自信や責任が感じられませんよね。
そんな営業から、わざわざ大切な資金を使って買物をする顧客はいません。
多くの場合、自信を持った営業や頼れる営業から、商品やサービスを買います。
そこで自信を持った営業トークがとても重要になります。
自信を持った営業トークとは、「断定する」または「言い切る」話し方です。
自信がある営業トークは、顧客に買って良いかどうかと不安にさせず、むしろ安心感を与える効果もあります。
ただこれまでの営業スタイルと違うし、断定口調に抵抗があったり、とても勇気が要るなと思う人もいますよね。
そんな場合は、「おすすめします」、「大丈夫です」、「安心です」などの言葉なら使いやすいので、早速現場で話してみましょう。
また、会社のトップセールスに同行して、セールストークをコピペしても構いません。
トップセールスを自分に一時的に憑依させるのも重要なスキルです。
きっと、営業活動の中で断定口調を多用しているはずです。
彼の言葉をいくらコピペしても個性が違うので、同じフレーズを使っている内に、自分に会ったトークになっていきます。
【まとめ】営業の話し方を改善!話下手は最も大事な4つのコツだけ押さえよう
営業の効果的な話し方や、最も大事な4つのコツについて説明してきました。
営業活動で最も重要なポイントは、顧客から信頼を得ることです。
信頼を得るための手段が、ビジネスマナーであり、話し方であり、誠実な対応です。
効果的な話し方だけで商談が全て決まる訳ではありません。
しかし、より有利に商談を進めるためには不可欠なスキルです。
話し方に悩んでいる営業の方は、まずはこの4つを徹底してマスターしてみてください。
先ずは練習に練習、そして現場での経験値がスキルアップにつながります。
効果的な話し方を体得して、成約率アップを目指しましょう。
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