「PDCA」は、結果を求められる営業パーソンにとって、馴染みのある言葉です。
しかし、実際にPDCAを回すことができている人は実は少数ではないでしょうか?
PDCAという言葉は知っているが回した経験がない、概要を理解していない方も多いはずです。
そこでこの記事では、PDCAの回し方とそのメリットについて解説していきます。
PDCAを回して、高いパフォーマンスを発揮できる営業パーソンになりましょう!
目次
PDCAの回し方を覚える必要性
まずは、そもそもPDCAを回す必要性について確認していきます。
なぜPDCAを回す必要があるのかと言うと、PDCAを回さないと業務が停滞したり、改善ができない危険性があるからです。
”PDCAを回す”とは「Plan(計画)-Do(行動)-Check(評価)-Action(改善)」を繰り返すことを指します。
PDCAが回っていないということは計画や改善がなく、業務が同じ状態で止まっている・もしくは衰退していることが予想されます。
外部環境の変化が早い昨今、業務が全く変わらない状態では、企業成長は難しいのが現実です。
計画から改善のプロセスが継続することで企業の発展があるので、その為にもPDCAを回す必要があるといえます。
PDCAとは?
PDCAとは前述した通り、「Plan(計画)-Do(行動)-Action(改善)」の頭文字を取った業務改善や生産性向上のフレームワークを指します。
初めは1950年代に、「品質管理の父」といわれているアメリカ合衆国の統計学者W・エドワーズ・デミングが提唱したフレームワークです。
彼が提唱したフレームワークは業界・業種問わず、幅広く使えるということもあり、日本でも定着しました。
各ステップで行うこと
それではさっそく、各ステップで行うことやポイントについて解説していきます。
それぞれの段階で行うことを確実に理解して、業務改善しましょう。
Plan(計画)
PDCAは計画から始まります。
計画を立てるには「現状把握」と「課題認識」を行う必要があります。
「現状把握」は、数字を使って定量的に調査することが大切です。
数字で現状を捉えると、その後に行うCheck(評価)がしやすくなるので、
数値に置き換えられるものは可能な限り数値で置き換えましょう。
「課題認識」は漠然と抱えている課題をリスト形式で書き出したり、
従業員にアンケートを取るなどして多角的な視点で情報を集めるとよいでしょう。
目標数値が現実よりはるかに高い、無謀な計画を立てないよう注意してください。
ここで立てた計画をもとに行動するので、PDCAの中でも非常に重要なステップとなります。
Do(行動)
PDCAの次のステップは、立てた計画を実行に移すことです。
分析を行い、業務停滞の原因が分かった上で十分な計画を立てても、実行しなければ意味がありません。
計画倒れという言葉がありますが、計画を行動に移すだけでは気が緩んでしまうので注意が必要です。
業務改善をするということは、これまでの業務の変更を意味します。
日々の業務に追加した作業の可能性もある為、実行不可の場合もあります。
行動は事実を記録して、なぜ成功したのか、何故失敗したのかをまとめておくと次のアクションに繋がります。
Check(評価)
行動に移した結果がどのくらい目標に近づいたかを評価するステップです。
計画と行動を見返すことが評価になりますが、単純に「成功」、「失敗」だけでは正しい評価ができません。
成功や失敗の原因を探り、次回へ活かすことが改善の一歩です。
PDCAは循環することが前提となっているので、なぜその結果になったのかを分析してこそ、改善が生まれます。
正しい評価が次の計画の柱となるので、評価は改善をするためのPDCAの中でも特に重要なステップとなります。
Action(改善)
PDCAのAction(改善)では、前のステップのCheckを元に問題点を見つけたり、次の計画を立て、改善施策を練ります。
これまでの良かった点・悪かった点を考察して次回計画に反映していくステップです。
一連の流れの中で新しい問題が出てくることもあり、それに対して優先順位をつけてどこから着手するかを決め、次の計画を立てましょう。
PDCAを回すメリットと注意点
ここからは、PDCAを回すことで得られるメリットと注意点について紹介します。
PDCAは業務改善が目的と述べましたが、それ以外にもメリットがあります。
しっかりとメリットを理解して、業績向上に繋げましょう。
メリット1、業務改善ができる
PDCAを回すことで得られるメリットの一つは、業務改善ができることです。
働き始めて2、3年すると、日々の業務を淡々とこなしているだけでは、業務改善の限界を感じる人が多いかと思います。
業務のほとんどは慣れや業務知識の理解によって、ある程度の改善は見込めます。
しかし、一定のレベルに達すると成長が緩やかになっていき、いずれ成長が止まってしまいます。
これは個人レベルだけではなく、部署や会社全体でも同じことが言えます。
当初は伸びていたビジネスモデルでも、ブラッシュアップを怠り衰退することは珍しくありません。
持続的な業務改善を行うには、しっかりとした目標設定、行動そして評価をワンサイクルとした一連の行動を素早く回す必要があります。
高速なPDCAサイクルは、業務の成長スピードを加速させることができるでしょう。
メリット2、タスクを明確にできる
タスクを明確にできることも、PDCAを回すことで得られるメリットの一つです。
新社会人や初めての転職をした時は、会社から言われたことをこなしていくのが精一杯になりがちです。
ですが、仕事をするうちに高いレベルの目標が設定されるでしょう。
会社から認められると、設定された目標をどのように達成するかについて本人に一任されることが多くなってきます。
”言われたことを全力でこなして成果を得られていた”環境から、変わる瞬間です。
その切り替えのタイミングで、多くの社会人は正しい行動を取ることができず、いつものルーティンに陥り目標未達になるケースがほとんどです。
PDCAを回すことで、目標に合わせてタスクを明確にして達成できます。
どのような行動をするかが明確にならないと人は行動に移せず、目標達成が難しくなります。
仮にタスクが達成できなかったとしても、失敗要因を探り分析すると、次回に繋げていけます。
注意点 回すことが目的になってしまう
PDCAを回すことで得られるメリットについて紹介しましたが、注意点もあります。
それは、「PDCAを回すことが目的になってしまうこと」です。
回すことが目的になってしまうと、一つのサイクルが終わるまで次のアクションが実行されない、円滑に回すことに集中して、各ステップでの失敗を軽んじてしまうなどの問題点があります。
業務改善を目的としたフレームワークであると再三述べてきましたが、形骸化する可能性も秘めています。
PDCAを回す時は、どのような業務を改善したいのか、いつまでに改善したいのかをしっかりと決めておきましょう。
PDCAの回し方のコツを具体的に解説
ここではPDCAの回し方のコツを具体的に解説していきます。
PDCAは耳馴染みのある言葉だけに、分かったつもりになり、実際は回せていないこともあります。
メリットや注意点を理解した上で回し方を学び、着実に成長していきましょう。
目標と期間を設定する
PDCAを回すためには、目標と期間を設定する必要があります。
目標設定は想像しやすいかと思いますが、目標に合わせて期間を設定することも重要になってきます。
多くの企業では部署やチーム毎に目標が設定されており、同時に下半期や月間など目標達成までの期間設定がある場合がほとんどです。
しかし、個人レベルでPDCAを回してしまうと、達成までの期間設定が抜け漏れてしまうことがあるので注意が必要です。
組織でも個人でも、PDCAを回す場合はどれくらいのスパンで実施していくかを決めましょう。
タスクを細分化する
PDCAを回すには、タスクの細分化が重要になってきます。
目標達成するには、一つのタスクをこなすだけでは目標達成は厳しいです。
それと同じで目標は大きければ大きいほど、多くの行動が要求されます。
PDCAを回すメリットの一つにタスクが明確になると述べましたが、
タスクは、誰が見ても同じ行動ができるかをチェックすることが大切です。
5W1Hを意識してタスクを分解しておかないと、いざ計画を実行しようとすると、何をすればよいか分からず時間だけが過ぎてしまうことがあります。
このようなことが起きないようにタスクを細分化して、行動計画が明確ですぐ動ける状態になっているかを常に確認して課題解決に取り組みましょう。
また、タスクを行う順番も決めておくとよりスムーズに取り組めます。
タスクの順番を決める時には、重要度と緊急度を用いた時間管理のマトリックスを使うことをオススメします。
習慣化する
最後のPDCAの回し方のコツは、習慣化することです。
PDCAは一度回すだけでは、十分な効果が発揮しないので、継続した循環を意識しましょう。
継続的に回すことで効果が増していくので、一度回しただけで満足せずに継続し習慣化して社内の業績向上に貢献しましょう。
どのような職場でも、小さな改善を積み重ねることで、大きな発展があります。
【まとめ】PDCAの回し方を学んで営業成果を上げよう!
これまでPDCAの回すことのメリットと回し方を紹介してきました。
「Plan(計画)-Do(行動)-Action(改善)」の各ステップをしっかりと理解して、継続的に回すことが大切です。
また、PDCAを回すことで最初に立てた目標に対して、何が課題なのか、いかに課題を解決するのかといったことを日頃から考えるようになります。
業務が停滞していたり、成長が鈍化している、高い目標が設定されて困っている方は、
PDCAを何度も回して持続的な業務改善を心掛けましょう!
PDCAを高速で回して営業職で活躍したい、、そんなあなたに!