転職を考えている多くのビジネスパーソンから、候補の1つとして検討される営業職。
「営業という仕事の経験がなくても、チャレンジできるもの?」といった疑問をおもちの方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな方々に向けて、未経験から営業職への転職が可能か、そしてセールスを行うビジネスパーソンとして勤めるべき企業の選び方をわかりやすく解説していきます。
未経験から営業職へ転職することで生まれるメリットとデメリットを理解し、自身の将来設計を描きながら、冷静にキャリアを選択していきましょう。
目次
未経験から営業に転職できる?
転職シーンにおいて「営業という仕事の経験がなくても、チャレンジできるもの?」という議論がなされることが少なくありませんが、結論からお伝えすると未経験からでも営業へ転職することは可能です。
もちろん、職種を変えることによって、ビジネスパーソン自身が働き方や物事の考え方を変化させる必要があります。
ただし、営業職を募集している企業が多いこと、営業職には職歴を活かせるフィールドが用意されていることといった理由から、未経験からでも挑戦できる職種であることは間違いありません。
仮に直接的に訴求した経験がなくても、研究開発や製造に関わっていた知識によって、クライアントやユーザーからの信頼を獲得できるケースも多く存在するのです。
未経験から営業への転職希望者がもつべき企業を選ぶ際の3つの指標
ここからは、未経験から営業職を目指すビジネスパーソンが備えておくべき、企業を選ぶ際の指標を解説していきます。
クライアントやユーザーに対して、直接的に製品やサービスの価値を訴求することが営業職の役割であることは間違いありませんが、
営業スタイルや歴史といった企業の特性によって、アプローチの仕方が異なることを事前に理解しておきましょう。
指標1、営業スタイル
未経験から営業への転職希望者が備えておくべき、1つ目の企業選びの指標が営業スタイルです。
先程も触れたように、営業という職種の役割は直接的に製品やサービスの価値を訴求することです。
ただし、ここ数年でマーケティングの手法が多様化しており、営業にも次のような数多くの種類が生まれています。
- アウトバウンドセールス:企業からの働きかけによって、新規顧客の獲得を行う営業スタイル。新規営業と呼ばれることもある
- インバウンドセールス:アウトバウンドセールスとは対象的に、ユーザーから働きかけに応じる形で、製品やサービスの説明を行う営業スタイル
- ルートセールス:すでに契約をしている顧客、関係性が構築されている顧客を訪問し、新たなニーズの確認を行う営業スタイル
営業という言葉には、「自らユーザーに売り込む」というイメージが伴いますが、マーケティング技術の進歩によって、顧客のアクションを誘導するような施策を用意している企業も少なくありません。
まずはユーザーの心理状態によって、営業スタイルが変化することを理解しておきましょう。
指標2、企業の歴史やマーケットのシェア率
企業の歴史やマーケティングのシェア率も、未経験から営業への転職希望者が備えておくべき指標の1つです。
一概に企業の歴史やマーケティングのシェア率が、営業の難易度に直結するわけではありませんが、知名度の高い企業ほど営業が扱える武器の数が多いことは事実です。
仮に歴史が長く、80%以上のシェア率をもつ企業と、これからシェアを拡大していこうとしてるベンチャー企業を比較してみると、営業職が担う役割に違いがあることがわかるのではないでしょうか。
これからシェアを拡大していこうとしてる企業であれば、認知度を高める作業から始めなければならないのに対して、シェア率の高い企業は紹介を受ける状況から営業活動をスタートさせることができます。
指標3、評価制度
評価制度も、未経験から営業職への転職を考えている方は理解しておきたい指標の1つです。
一口に営業職といっても、評価の仕方は企業によってまちまちです。
インセンティブを用いて実績が評価される企業もあれば、同じ営業であっても勤続年数に応じた手当が用意されるケースもあります。
企業ごとに違いがあることはもちろんですが、インセンティブが用意されていれば、その基準を満たすためによりストイックに顧客を追いかける必要があることを理解しておきましょう。
未経験から営業に転職するメリットとデメリット
ここからは、未経験から営業に転職するメリットとデメリットを解説していきます。
スキルや実績がない状態からのスタートとなるため、新たな挑戦をすることで能力が得られるというメリットがある分、待遇や将来設計を一から考え直す必要が生まれるといったデメリットも生じます。
メリット1、将来に役立つスキルを身につけられる
未経験から営業に転職する1つ目のメリットが、将来に役立つスキルを身につけられるというものです。
先程も触れたように、営業職にもさまざまな種類のスタイルが存在し、求められる能力も異なります。
もちろん、能力が足りずに苦労するシーンに出くわすこともありますが、乗り越えることで直接的に製品やサービスの価値を訴求する能力を身につけることができます。
メリット2、成果によってインセンティブを手にできる
成果によるインセンティブを得られることも、未経験から営業職に転職することで手にできるメリットの1つです。
企業によって評価制度も異なりますが、成績に見合った報酬を用意している企業に転職することで、適切な対価を手にする機会を得ることができます。
メリット3、独立や副業に経験を活かせる
独立や副業に経験を活かせることも、未経験から営業に転職することで得られるメリットです。
営業は、ユーザーやクライアントが置かれている状況や心理状態にあわせた提案を行うことが大前提であるため、マーケティングに活かせる知識を身につけることができます。
もちろん、どのような業種にチャレンジするかによりますが、独立後のクライアントとの商談やユーザーへのアプローチに、営業の経験が活きてくるはずです。
デメリット、待遇が悪くなるケースが多い
未経験から営業に転職することで、待遇が悪くなってしまうケースも少なくありません。
もともと勤めていた企業の評価制度にもよりますが、年功序列で5年以上の勤務実績が評価されていた状態から、
まったく経験のない職種への転職となれば、その労働者としての価値がグッと下がってしまうこともうなずけるのではないでしょうか。
また、転職前までに構築してきたキャリアを、一から考え直す必要が生まれる点にも注意が必要です。
研究開発や製造に関わっていた知識によって、新たな職場でもクライアントやユーザーからの信頼を獲得できる武器として活用できる場合であれば、
新たなキャリア形成といえるポジティブな転職になるでしょう。
しかし、新たな業界に飛び込む場合には、一からのキャリア形成と知識の習得なり、新卒と変わらない状態からのスタートになることも珍しくはありません。
未経験から営業に転職する際に求められるスキル
最後に、未経験から営業に転職する際に求められるスキルを紹介していきます。
IT化が進み、ビジネスの進め方が変化している昨今では、多くの企業がAIやシステムが代用できないスキルや能力をもったビジネスパーソンを求めています。
コミュニケーション能力
言わずもがなではありますが、コミュニケーション能力が未経験から営業を目指すビジネスパーソンに求められる1つ目のスキルです。
営業という言葉を聞くと、プレゼンをするシーンや顧客との商談を先導するシーンを思い浮かべがちですが、最近のビジネスパーソンには傾聴力が求められています。
インターネットの普及により、当たり前に知識を得られるようになったことで、多くの企業がユーザーやクライアントが抱えている不安を解消できる営業職を求めているのです。
ロジカルシンキング力
未経験から営業に転職する際に求められる、2つ目の能力がロジカルシンキング力です。
ロジカルシンキング力とは、論理的思考と訳されることもあり、物事を客観的に観察し、道筋を立てる力を指します。
特に営業活動やユーザーの行動がデータ化されつつある昨今では、そのデータを上手に活用するための、ロジカルな発想の価値が高まっているといえるでしょう。
マーケティング感覚
営業職に求められる3つ目のスキルが、マーケティング感覚です。
先程も触れたように、昨今の営業職は、アウトバウンドやインバウンド、ルートセールスなどに分類され、
ユーザーやクライアントが置かれている状況や、心理状態に合わせた提案を行える環境を整えています。
そのため、営業を行なうビジネスパーソン自身も、認知の拡大、ヒアリングをして関係性を構築する、
新たなニーズの発掘といったテーマをもつ必要があり、そのためにはマーケティングの基本原則を理解しておく必要があるのです。
【まとめ】必要な知識を身につけて、未経験から営業への転職を成功させよう
転職を考えている多くのビジネスパーソンが、候補の1つとして検討する営業職。
必要としている企業が多く、多くの求人が用意されているため、未経験からでも十分に挑戦できる職種といえます。
ただし、転職活動を開始する際には、営業スタイルや未経験から挑戦することで生まれるメリットとデメリットなど、必要な知識を備えた状態で冷静に検討することをおすすめします。
未経験の状態で新たな業界に挑戦でき、将来に活かせるスキルの習得やインセンティブの獲得といったメリットがある一方で、待遇面への不満を感じてしまう方も少なくありません。
もちろん、新たな環境を求めて、チャレンジする姿勢をもっておくことは大切ですが、これまでの経験やスキルを活かせる環境へ飛び込むことで、ポジティブな転職を実現することができるでしょう。
未経験で営業転職を目指す方は、一度転職のプロに相談してみることも大事な一歩です!