人生には悩みが付き物ですが、社会人になってから悩みが尽きない職業の1つが営業です。
営業の悩みは、何と言っても予算達成にまつわることです。
営業なら当然ですが、毎月毎月、毎期毎期、息つく間もなく予算が課されます。
誰もが一生懸命営業活動を続けるものの、成績が伸びないとそれが悩みの種になるのは仕方のないことでしょう。
また、ある月に予算を達成しても、その次はどうなるか分からないのが営業の世界です。
実際、ほとんどの営業が予算をどうしたら達成できるかと、常に悩んでいます。
安定して成績がよいのは、ほんの一握りのトップ営業だけです。
ただ、そのトップ営業は悩みがないのかと言うと、そうでもありません。
常に良い成績を維持することは、それ自体がとても大きな悩みになるのです。
悩みをかかえながらも、トップ営業はそれを梃子にして頑張っているのです。
この記事では、悩みとその付き合い方を取り上げて、上手く付き合って行くコツを説明します。
目次
営業に悩みは付き物
人生には悩みは付き物であり、全く悩みが無い人などいません。
ただ、四六時中悩んでいないだけです。
要は、悩みとどう付き合うかということです。
悩みは人それぞれ、その大小は比べることができません。
それでも自分の悩みを打ち明けたり、相談することはできます。
そうすることで、心の負担が減ったり、気持ちが軽くなったりします。
悩みを解消できなくても、うまく付き合って行くことができたりします。
それぞれの職業・職場には特有の悩みがあり、営業にも色々悩みがあります。
中でも最大の悩みが、「予算(ノルマ)達成がおぼつかない」ということです。
課せられた予算が妥当かどうかは別にして、期限までに達成しなくてはなりません。
営業は予算達成のために最大限の努力をしますが、なかなか思ったようになりません。
ここで営業の代表的な悩みを取り上げて、対策を検討して行きます。
営業が抱える代表的な悩み5つ
先ず、営業の代表的な悩みを列挙します。
- 予算達成・ノルマ達成が難しい
- 労働時間が長い・残業が多い
- 休日も休めない・休みが取りにくい
- 仕事が厳しい・覚えることが多い
- 人間関係
以上、5つの悩みを代表的なものとして考えて行きましょう。
予算達成・ノルマ達成が難しい
冒頭に書いた通り、「予算(ノルマ)達成」は営業の永遠のテーマと言うべき悩みです。
この悩みは、一度克服しても新たな予算が課せられるたびに再発します。
従って、この悩みとは上手く付き合っていくしかありません。
この悩みは、一度でも予算達成したことがあるか、全く無いかで大きく異なります。
予算達成したことがある場合は、その時の喜びや達成感を覚えているので、達成したいという気持ちが強く悩みも深刻です。
上司や周りからも期待されています。
そのため、悩みながらも、いかに予算達成するかを模索して努力します。
その結果、予算達成またはそれに近い成績を実現するでしょう。
成績が安定しないと悩みは続きますが、それをエネルギーに変えて営業を続けて行くことになります。
一方、一度も予算達成したことがないまま、ある程度時間が経過してしまうと、その内、悩みながらもそんなものかと思うようになります。
成績が悪い原因を会社や商品のせいにして責任転嫁すると、悩みが変化して仕事や人間関係に不満を抱くようになります。
これはとても危険な兆候です。
こうなると予算達成はさらに厳しくなり、それが続けば配置転換など人事異動の対象となります。
そうならないためには、 1人で悩まず上司や同僚に相談して、効果的な対策を行って、なるべく早く予算達成を目指す
色々なアドバイスを参考にして、大いに悩み考えて、現状を改善する努力を続けなくてはなりません。
成績が良い営業の真似をしたり、改めて専門書を熟読するなど、これまでの仕事のやり方を変える必要があります。
それで、予算を達成できれば自分を変える大きな転機となります。
しかしながら、一旦予算達成ができても、次の予算が待っています。
悩みは尽きませんが、悩みと付き合う方法は分かったので、また努力を重ねて行くことになります。
労働時間が長い・残業が多い
営業は、相手の都合に合せる仕事なので、自分で時間を決めることが難しい職業です。
自分で面談時間を誘導することは可能ですが、それができる商談は限られています。
また、約束の時間に顧客を訪問しても待たされたり、面談そのものが長引いたりして、しばしば長時間労働になります。
外回りから帰って上司に報告したり、社内業務を行うと残業も多くなってしまいます。
それを避けるために、得意先から直帰して、極力残業をしない方法もあります。
この場合、報告や社内業務は、翌日または後日まとめてすることになります。
「労働時間が長い」という悩みを解消する方法は、会社のシステムにもよりますが、直行直帰やフレックスタイムの活用で対応できます。
また、有給休暇の積極的な活用という方法もあります。
必ず出勤しなくてはならない日を除いて、得意先に直行するようにすれば、午前中の時間を有効活用できます。
また、直帰すれば残業時間も減らせます。
フレックスタイムならば、前日遅くなった場合は、その分翌日の出勤時間を遅らせるなどの方法で、労働時間を調節できます。
残念ながら、直行直帰やフレックスタイムという仕組みがあっても、職場の雰囲気や、顧客からのアポイントの時間によっては、使いづらい場合もあります。
その時は、先ず自分の判断で実行しやすい直帰から試してみてください。
その日の報告は一旦メールで済ませるなどの対策をして、翌日以降に直接報告すればよいでしょう。
直帰により労働時間を短縮できたなら、次は直行という順に進めてみましょう。
直行により通勤ラッシュや煩雑な社内業務の時間を省いて、商談に専念できます。
直行直帰を続けることでさらに労働時間を減らせますが、計画的に出社して必要な報告や社内業務をすることも忘れてはいけません。
休日も休めない・休みが取りにくい
会社の休日と顧客の休日が同じならよいのですが、そうでない顧客の場合は休日でも商談をすることがあります。
また、展示会やセミナーなど、会社のイベントが休日に開催されることもあります。
顧客が個人の場合は、夜間や休日に連絡が入ることは日常茶飯事なので、なかなか休めなくなります。
ところで、労働基準法では「使用者は労働者に対して毎週少なくとも1日、または4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない」とされています。
なので、1か月間で3日以下しか休めない場合は、違法になることを知っておきましょう。
前述のように、「休日も休めない」「休暇が取りにくい」という悩みが、営業にはよくあります。
休みが取れないと、体調管理はもちろんですが、プライベートの時間が無く、ストレスが溜まりやすくなります。
それが続くと、仕事の悩みを解消できなくなって、心身の健康を損なってしまいます。
多くの企業には、休日出勤をした場合に、ほかの労働日に休みを取る「代休」と言う制度があります。
また、有給休暇もあります。
しかしながら、仕組みは有っても、なかなか利用できない雰囲気の職場もあるでしょう。
それでも休暇を取得する権利があるので、勇気を出して休暇申請を行いましょう。
案外何事も起きないのではないでしょうか。
直行直帰やフレックスタイム制を利用していると、休暇を取っていることさえ気付かれないこともあります。
働き方改革
2019年度から、国は「働き方改革」を推進しています。
その大きな柱が、有給休暇の取得と残業時間の削減で、その他に同一労働同一賃金があります。
これらは、労働基準法の改正内容であり、会社として必ず守らなくてはなりません。
例えば、全企業の使用者は年5日以上の年次有給休暇の取得をさせる義務があります。
この取得義務は、6ヶ月以上継続して勤務、かつ全勤務日の8割以上出勤した場合に適用されます。
従って、有給休暇を年に4日以下しか取れない場合は違法となるのです。
日数が足りない場合は、大手を振って有給休暇を申請しましょう。
例えば、法定労働時間を超えて残業をさせる場合には「36(サブロク)協定」を締結しなくてはなりませんが、この度の改正で残業時間の上限が設定されました。
それによると、原則として月45時間、年360時間が上限です。
特別な事情がない場合、これを超えることは許されません。
それ以前に、労使で36協定を締結しているかどうかが問題です。
1日8時間・1週40時間以内の法定労度時間を超えて働かせる場合は、必ず36協定の締結が必要です。
労働組合が無い職場では、総務や人事勤労担当に、残業時間の上限や有給休暇の取得についてどのようになっているか、確認してみましょう。
仕事が厳しい・覚えることが多い
どの仕事でもそうですが、優しい仕事などありません。
どんな職業に就いても、新しいことなど色々と覚えることも必要です。
営業が他の職業と比べて厳しいということは、やはり予算達成に関わることが殆どです。
達成できればとやかく言われないし、そこまで厳しいとは思わないでしょう。
しかしながら、達成できない場合に、上司からの一方的な叱責や暴言があるとしたら、それはパワハラにあたります。
パワハラは犯罪であり、大きな問題とされたため、2020年6月から「パワハラ防止法」が施行されました。
パワハラ防止法施行と同時に、大企業では「ハラスメント相談窓口」の設置が義務化されています。
中小企業においても、設置が努力義務とされ、2022年4月からは義務化されます。
パワハラと思ったら1人で悩まず、会社に窓口があれば是非相談してみましょう。
無い場合は、会社の所在地の労働局または労働基準監督署に「総合労働相談コーナー」があるので、そちらに相談をしましょう。
専門の相談員が、面談または電話での相談を受けてくれます。
単に「仕事が厳しい」という悩みは、厳しい度合にもよりますが、先ずはしっかり仕事に取り組んでみることです。
覚えることが多くても、結局自分のためになる、知識が増えると考えて、積極的に勉強しましょう。
詳しいことや苦手な分野については、スマホやタブレットの中に入れておけばよいので、全て覚える必要はありません。
それでも職場にいるのが辛い、仕事の結果で理不尽な事を言われて厳しいのなら、「相談窓口」を積極的に利用して解決しましょう。
人間関係
人間関係の悩みは、社会生活を営む限り必ず生まれるものです。
幾つかのアンケートを見てみると、職場の人間関係に対する悩みが一番多く、営業に限らず全ての職業でトップになっています。
アンケートでは、男性は同性の上司との関係が、女性は同性の同僚との関係が一番問題となっています。
男性は、上司からのパワハラや理不尽な要求、不適切な指導や指示などが、大きなストレスになっているようです。
女性は、同僚が無駄話ばかりして仕事にならない、愚痴ばかり聞かされてストレスがたまる、などがあるようです。
営業も同様の悩みを抱えていますが、それ以外に顧客との人間関係もあるでしょう。
特に、顧客に合せようとして無理を続けていると、精神的に辛くなってしまいます。
仕事だからと割り切れないと、やがて大きなストレスとなって、営業活動ができなくなってしまいます。
この悩みには、プライベートでのストレス発散が効果があります。
自分の好きなことに没頭するとリフレッシュできるので、趣味やスポーツ、日帰り旅行やグルメなど、仕事を忘れて楽しみましょう。
学生時代の友人や、会社関係者以外との交流もおすすめです。
営業は人と会う仕事です。
会社でも、社外でも、人間関係が重要な職業です。
人間関係の悩みは尽きませんが、仕事とプライベートをきちんと分けることで、上手く悩みと付き合って行きましょう。
【まとめ】営業は悩みとどう付き合っていくかが大事!
営業の悩みについて考えてみると、改めて予算達成との関係がクローズアップされます。
しかしながら、予算の妥当性が不明だと、努力しても達成できるかどうか分かりません。
自分で解決できる悩みなら努力すればよいですが、限度を超えている場合は、いくら悩んでも解決しません。
責任逃れではなく、悩みと上手く付き合うためには、自分でできることとそうでないことを分けて考えましょう。
もしも予算が過大であるなら、その根拠を示すなどの努力も必要です。
そんなことができるなら苦労は無いと思うかもしれませんが、直行直帰も休暇取得も自ら率先してやってみないと何も変わりません。
そして自分でできることは、言い訳せずしっかりとやりましょう。
目標を達成できる、もしくは近づければ、きっと悩みも軽くなって行くでしょう。
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