営業に限らず、誰にでもスランプはやってきます。
ただ他の職種と違って営業にはノルマがあり、成績が数字として現れるので、スランプになった事が分かりやすいのです。
予算未達のスランプが短期間なら、何ら問題はありません。
しかし、営業成績が低迷するスランプが長引いて辛い状態なら、何とかしなくてはなりません。
営業マンなら、あらゆる手段を用いて、スランプから脱出しようと努力します。
スランプの中で最も深刻な問題は、スランプの常態化です。
スランプから立ち直れない状況に陥る、こうなってからでは手遅れになってしまいます。
この記事では、スランプについて考えながら、それを常態化させないための方策について考察しています。
目次
営業スランプとは
営業を続けていると毎日「山あり谷あり」で、成績に波があるのは日常風景です。
営業スランプとは、成績が低迷して谷が続いている状態を言います。
予算未達が何期も続いている状態です。
それはトップセールスマンであっても、同様に成績は変動します。
ただ、優秀な営業マンは谷が深くなくて、谷の期間が短いのです。
一方、普通の営業マンは谷が深かったり、谷の期間がしばらく続きます。
スランプ脱出そしてスランプ
スランプに陥っていると、何かにつけてマイナス思考になってしまいがちです。
販売会議では、苦しい説明や言い訳に終始せざるを得ません。
予算未達の要因をいくら分析してみても、スランプ中は効果的な解が出てきません。
それでも、この状態から抜け出そうと誰もが努力を続けます。
成績が良かった時のことを思い出して、同じような行動をしてみると効果がある場合もあります。
アタックリストの更新を行って、これまでアプローチしてこなかった客を攻略する場合もあります。
しばらくすると努力が実ってスランプを脱出し、通常の成績に戻るパターンが多く見られます。
そうなれば、次のスランプまでは問題なく営業活動が続けられます。
このサイクルをくり返しながら、営業活動は続いて行きます。
重要な事は、次のスランプまでの期間をできる限り先送りにすることです。
そのためにできることを、今しっかり実行しなくてはなりません。
スランプを先送り
スランプは決して望ましい状態ではないので、何とかして先送りしなくてなりません。
そのために出来ることは、ある程度成績が安定しているときの行動が重要です。
平時に、いわゆる「種まき」をしっかりしておくことです。
例えば商談の前後に、「見込み客」を増やすアクションプランを組み込むことがあげられます。
予めアタックリストを見直して、新規訪問先をリストアップし、計画的に訪問することで、見込み客の増加を図ります。
また、これまで販売してきた顧客を訪問して、更新を促したり、見込み客の紹介をお願いする手法も有効です。
商品によってはポスティングも有効な手段です。
ポスティングはくり返し行うことで効果が出ます。
平時にしっかりポスティングを行って、見込み客を増やしましょう。
営業スランプと付き合う
繰り返しますが、営業スランプは誰にでも訪れます。
そうであれば、スランプとの付き合い方が重要になってきます。
成績が上がらない場合、改善努力をする一方で、現状を認めることも大事です。
実際の営業活動に問題点がないなら、自分を責めたりせず、しばらく様子を見てみましょう。
ひょとすると外部環境、特に他社動向(新製品が出たなど)が要因かもしれません。
他社の腕利き営業マンのせいかもしれません。
また、顧客の考えや嗜好が変化している場合もあります。
過去にとても人気があったものも、時代と共に廃れていくことは避けられません。
顧客の変化に気付くことも、営業の重要な役割です。
スランプをあまりに気にして、精神的に落ち込んでしまうことが無いようにしましょう。
スランプと上手に付き合って行きながら、必ずスランプを克服するという意志を持ち続けることが重要です。
そうでないと、最悪のケースである「スランプが常態化」してしまいます。
営業スランプの常態化
最初のうちは、誰でもスランプを何とか克服しようと努力をします。
このままではダメだと、スランプからの脱出を試みます。
それでも全く効果が無く、一向に成績が上向かない場合、「スランプの常態化」が起こります。
スランプの常態化
営業マンで最も避けなくてはならないこと、それがスランプの常態化です。
スランプの常態化に陥ると、売れないことが当り前になってしまいます。
特別、サボったり、手を抜いたりしていないのに、全く成果が出ない状態です。
いくら商談数を増やしても、クロージングの手前で脱落してしまい成約数が増えません。
また、なかなかクロージングまで行けず、商談数だけが増えてしまい、いつも忙しいとボヤくことになってしまいます。
他の営業と同じキャンペーンを行っても、その効果がでません。
それに慣れてしまうと、いつも予算を達成できない営業マンになってしまいます。
販売会議でも、徐々に「なぜ売れないか」などの厳しい追及が無くなっていきます。
とうとう当てにされない営業マンになってしまいます。
売れないことが当り前になったら、会社から任された市場を守れません。
他社から見れば、市場からライバルが消えたことになります。
この状況を看過できないと会社から判断されたなら、営業マンとしてのキャリアが終わってしまいます。
従って、スランプの常態化だけは避けなくてはなりません。
常態化の前にできること
営業スランプに陥ることは、誰も同じです。
そこから脱出しようと努力する点も同じです。
ただ、脱出するタイミングには個人差があります。
多くの営業マンは、スランプを脱出して、元通りの営業活動に戻ります。
ある営業マンだけは、スランプからは脱出できず、その状態が通常に変わって行きます。
そうなったら、もうスランプの常態化に移行してしまいます。
常態化の前にできることは、スランプが長引いているときに、組織の力を借りて脱出を試みることです。
上長から実際の営業活動を客観的に評価してもらい、何を改善したらよいかアドバイスをもらいましょう。
アドバイスを実践して、そこで課題が出てくればそれを改善して、もう一度実践するのです。
それでも、上手くいかないこともあるでしょう。
何度でもチャレンジはできますが、会社が許容する限度があります。
ひょっとしたら、営業に向いていないのかもしれません。
営業スランプからの脱出
スランプの常態化を避けるためには、幾つかの方法があります。
ここからは、スランプからの脱出方法について説明します。
基本に立ち返る
営業を続けていると、誰もが自分の営業スタイルを確立するようになります。
業績が良いときには、そのスタイルで構いません。
しかし、スランプに陥った時には、自分のスタイルを検証する必要があります。
先ず、基本に立ち返って検証しましょう。
行くべき所に行っているか、会うべき人に会っているかを、検証しましょう。
見込み客の選択を誤っている可能性があれば、別のアプローチをしなくてはなりません。
アタックリストの更新・見直しをして行くべき見込み客をリストアップしましょう。
また、意思決定者=キーマンに会っていなければ、商談は成功しません。
会うべき人を確かめて、確実に面談しましょう。
質と量を評価する
営業活動は単純ではありませんが、ある程度は質と量で成約率が決まります。
自分がやり易いスタイルを続けていると、その点が疎かになっている可能性があります。
量を確保するためには、自己管理を厳しく行う覚悟が必要です。
1日に何件の見込み客にアプローチしているか、検証してみましょう。
1週間、1か月で何件の見込み客に会っているでしょうか。
顕在化した商談に追われて、見込み客をフォローできていないのではありませんか。
1日何件訪問するか、明確な目標を決めて1週間単位でチェックサイクルを回しましょう。
予定件数を確実に訪問して、そして次の目標を定めていくようにすればよいのです。
1日1日で変動が有っても、1週間では目標値を達成するよう努力してください。
成功事例を参考に
スランプに陥る前には、業績がよい時期が有って何度も成約をしてきたことでしょう。
その時と、現在を比べてみましょう。
全く同じやり方で、何処にも違いが無い場合はスランプに別の要因があります。
それは、他社の優れた新製品発売、他社の優秀な営業マンの出現などの外部要因です。
成功事例と比べて現在のスタイルが違っているようなら、成功事例に合せて見る方法も有効です。
ただし、そっくりそのままは使えません。
セールストークや販促資料などはアップデートしてください。
アポイントの時間や滞在時間、そして訪問頻度、見積りを出すタイミングや金額、クロージングの決め台詞など、現状と比べてみましょう。
今のやり方と違う点が有れば、一度変えてみるとよいでしょう。
【まとめ】営業スランプは常態化させるな。うまく付き合うことが大事
営業マンなら誰もが経験する、スランプについて説明してきました。
実際、スランプで悩んでいる人は多いと思いますが、営業活動を続けるとスランプは避けられません。
営業マンとしてのキャリアの中では、スランプと上手に付き合っていくことが大切です。
問題は、スランプが長引いた時です。
個人差があるので一概には言えませんが、3か月から半年が1つの目安でしょう。
何とかスランプを脱出できればよいのですが、そうもいきません。
しかし、スランプの常態化だけは是非とも避けなくてはなりません。
スランプが長引いている場合、そこから脱出するには個人の努力だけでは限界があります。
もし営業を続けたいなら、自分一人で悩まず、上司や組織の力を借りて、常態化を絶対に阻止しましょう。
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