「営業はきつい」という声を耳にしている方も多いのではないでしょうか?
簡単にほかの職種と比較することはできませんが、結果が数字にあらわれる点に営業職の特徴があらわれています。
この記事では、同じ営業職でも特にきついとされる業界別ランキングを紹介します。
業界ごとの特徴を知り、きついといわれる理由を客観的に分析していきましょう。
目次
営業はきつい仕事?
営業にはきつい仕事というイメージがつきまといますが、ほかの職種よりも圧倒的に業務量が多かったり、責任が重いというわけではありません。
営業以外の職種も、任された仕事を全うするために、それなりのプレッシャーがあることは事実です。
ただし、組織内で先陣を切る役割を担うことは、営業ならではの重責です。
会社の数字を作り上げる、仕事を作り社内に連携するといった、”組織全体の責任”が集まっていると表現することも可能です。
このような少し目立つ立場に立たされる自覚がないことが、きついと感じてしまう根本的な要因です。
営業がきついといわれる業界ランキングトップ5
ここからは、特に営業がきついといわれる業界を、ランキング形式で紹介して行きます。
数ある業界のなかでも、特にきついとされる業界は次の5つです。
- 不動産業界
- 人材業界
- 保険業界
- 金融業界
- IT業界
では、それぞれの業界の特徴と、きついといわれる理由を確認していきましょう。
不動産業界
1つ目の業界が不動産業界です。
ただし、一口に不動産業界といっても大まかに次の5つに分類され、営業スタイルも異なります。
- 不動産賃貸会社の営業
- 不動産売買仲介会社の営業
- 不動産販売会社の営業
- 土地活用会社の営業
- リフォーム会社の営業
そして、分類した5つの営業のなかで、特にきついといわれているのが不動産販売会社の営業と土地活用会社の営業です。
信頼で契約を勝ち取れることもある営業ですが、不動産販売と土地活用には専門的な知識が求められます。
投資目的で活用されることも多く、未経験者が一から学ぶにはハードルが高い環境であることは事実といえます。
人材業界
2つ目の業界が人材業界です。
不動産業界と同様に人材業界も、大まかに次の3つの営業に分類されます。
- 人材紹介会社の営業
- 人材派遣会社の営業
- 求人広告会社の営業
そして、人材業界の営業がきついとされる理由は、ヒトとヒトとの板挟みになるためです。
一般的な営業はお客様の希望する納期までに、モノを納めることが仕事です。
一方、人材業界は、希望する人材を企業に提供してから仕事が始まるといっても過言ではありません。
時に求職者の主張と、クライアントの主張が食い違いなど、ヒトとヒトとの板挟みになることへのストレス耐性が求められます。
保険業界
数ある業界のなかで、保険業界はきついとされる3つ目の営業です。
保険の営業は、ファイナンシャルプランニングに必要な知識を活かし、個人顧客へ保険への加入やプランの見直しをおこないます。
そして、特にきついとされているのが、生命保険の営業です。
保険業界にも保険の代理店に勤める、保険会社そのものに勤めるといった違いがありますが、いずれの場合も新規契約の獲得ノルマは精神的な負担が大きいとされています。
数字と向き合い、電話や飛び込み営業でアポイントを取るケースも少なくありません。
金融業界
4 つ目にきついとされる営業の業界が金融業界です。
金融業界の業務は幅広く、銀行や証券会社、リース会社など、さまざまな働く環境が用意されています。
保険業界と同様に、インセンティブ制度などがあり、活躍に応じた待遇を期待できる業界です。
ただし、契約を獲得するノルマや、お客様に損をさせられないプレッシャーは、数ある業界のなかでも随一といえます。
特に証券業界は、金融の専門的な知識をもとに、お客様の資産を増やす提案をおこないますが、景気が影響するなど、非常に予測が難しい仕事です。
常に世の中の状況を見ながら、お客様との信頼関係を構築していく必要があります。
IT業界
営業がきつい、とされる5つ目の業界がIT業界です。
一口にIT営業の営業といっても、情報システムの開発やソフトウェア導入の提案、Webマーケティングなど、業務内容は多岐にわたります。
そして、ITに関する専門知識の高さが、数ある営業のなかでIT業界に求められる専門的な知識です。
また、IT業界の営業がきついとされる理由は、多様な業務内容です。
一般的なメーカーであれば、お客様の要望に合わせたモノを納品することで業務が完結します。
しかし、IT業界は納品するモノの1つ1つがオーダーメイドであり、営業からシステム開発チームへの引継ぎもIT業界ならではの難しさといえます。
納期を期限とし、お客様との打ち合わせと社内連携を急ピッチで進めなければならないシーンも珍しくありません。
営業がきついとされる理由とは
ランキングから業界ごとの特徴を把握したところで、営業職がきついとされる理由をさらに深堀りしていきましょう。
業界は違っていても、きついと感じられる共通のポイントがあります。
複数の業務をこなす
営業がきついとされる1つ目の理由が、複数の業務をこなすというものです。
企業によって異なることもありますが、「営業の担当範囲はここまで」と明確な線引きをしている会社はそう多くありません。
また、気を遣う営業ほど、仕事を任されてしまいがちという点には注意が必要です。
本来であれば、受注し、納期や顧客ニーズを各担当への連携すれば、営業の仕事は完結しますが、進捗管理を行い始めてしまうと業務量が際限なく増え続けます。
受注活動に専念するためにも、仕事量を管理するというマインドは必須といえます。
基本給が安い
基本給が安いことも、営業がきついとされる理由のひとつです。
特に営業は資格手当などを受け取れることが少なく、「基本給+インセンティブ」といった給与体系を採用している企業が多くあります。
そのため、うまく成果を出せたときとそうでなかった時の給与に、差が生まれてしまう点が営業職の厳しい側面といえます。
ただし、一概に悪い慣習であると言い切ることはできません。
「自己を成長させるための条件の一つ」と、モチベーションに変えている営業もいます。
目標が明確
営業がきついとされる3つ目の理由が、目標が明確であることです。
この理由も捉え方次第ですが、「目に見える状態にあることがストレス」と感じ、営業にきついというイメージをもってしまいがちです。
ただし、基本給が安いという理由と同様に、プラスに転換している営業がいることも事実です。
「数字が明確な分、スケジュールを立てやすい」、「数字が明確な分、前倒しすることができる」といった捉え方をし、モチベーションを高めることに成功しているのです。
きつい営業ランキングから対策を考察
ここからはきつい営業ランキングを参考に、事前におこなっておきたい対策を紹介していきます。
精神的な負荷が大きい営業職ですが、対策を講じることでポジティブな要因に変換できるでしょう。
対策1、自分の特性を正しく把握する
きつい営業をポジティブにする、1つ目の対策が自分の特性を正しく把握するというものです。
繰り返しとなりますが、営業は少なからず「数字を作る」という精神的な負荷がかかる仕事です。
そして、そもそも負荷を楽しめる特性がなければ、前向きなモチベーションに置き換えることは難しいでしょう。
また、諸説ありますが、人の特性は幼少期にほぼ完成されるとされています。
「もともと目立ちたがり屋だった」という特性が影を潜めていることはありますが、大人になってから新たな人格が形成されることはほぼありません。
自分の特性を把握するために、幼少期にどのような人に囲まれているかを確認してみるのもよいでしょう。
対策2、大手企業を探す
大手企業を探すという方法が2つ目の対策です。
業種や業界にもよりますが、基本的に大手企業は、社会的な意義を全うすることに目を向けているため、社員を大切にする慣習をもっています。
また、営業手法についても、相手の迷惑になることはさせません。数字を追う仕事であることに変わりはありませんが、数字だけに固執していない点が大手企業を探す一番の理由です。
対策3、相手をひきつける魅力を身につける
相手をひきつける魅力を身につけることも、非常に有効な対策のひとつです。
営業と聞くと、「とにかくアピールをする」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、数字を作る営業マンほど人をひきつける魅力をもっています。
そして、相手をひきつける魅力がある営業マンは、上手に紹介を受けられる人間性も兼ね備えています。
地道な努力を積み重ね、話したくなる人格や気遣いといった品格を身につけているのです。
【おまけ】営業種類別きついランキングTop3
1位:飛び込み営業
営業種類別でもっともきついとされる手法が、飛び込み営業です。
「慣れるまでが大変」といわれることもありますが、やはり精神的な負荷が大きい手法です。推奨する企業数は減少傾向にありますが、新規顧客の開拓には必要と判断している企業も存在します。
2位:テレアポ
2番目にきついとされる営業方法テレアポです。
飛び込み営業と比較すると、新規顧客と対峙する必要がない分、ストレスが小さくなります。
ただし、相手の声色だけがコミュニケーションのヒントとなり、場合によっては相手を怒らせてしまうこともあるでしょう。
「テレアポのマニュアルを守らなければならない」というルールによって、自主的な発想を妨げられていると感じる営業マンも少なくありません。
3位:個人営業
3番目にきついとされる営業手法が個人営業です。
営業である以上は、常に顧客のニーズを満たす提案をする必要がありますが、法人営業よりも個人営業のほうがきついといわれています。
そして、その理由が「わがままな顧客でも営業から断ることができない」ためです。
営業スタイルによっては営業から断ることも可能ですが、ノルマを達成するために我慢してしまう営業マンがほとんどです。
【まとめ】営業がきついと思う前に対策を!
営業にはきついというイメージがつきまといますが、会社の役割をになっているという点はほかの職種と大きな違いはありません。
ただし、「組織の売上や仕事を作るために先頭に立つ」という責任は、営業ならではの特徴といえるでしょう。
また、今回のランキングからわかるように業務範囲が決まっていないこと、ノルマが厳しいことが、営業がきついといわれる大きな理由です。
対策をしっかりと講じていないと、目標やプレッシャーに押しつぶされてしまう点には注意が必要です。
ぜひ、今回の記事に目を通し、プレッシャーをプラスに変える力を備えてみてはいかがでしょうか。