最近では、朝は出社せず直接顧客を訪問したり、仕事が終わったら、得意先からそのまま帰宅する、「直行直帰」が増えています。
また、新型コロナ感染防止策として、直行直帰や在宅勤務が推奨されたりしています。
せっかく直行直帰の機会が増えたのに、そのメリットを十分生かしているでしょうか。
この記事では直行直帰のメリットを理解して、それを最大化して営業成績をアップさせることを目指しています。
目次
営業が直行直帰するメリット
営業が直行直帰するメリットは、何と言っても時間を有効活用できる点にあります。
出社に要する時間、帰社に要する時間、そして帰宅に要する時間、その合算の時間を省けるだけでも、とても大きな効果が期待できます。
特に首都圏で働いていれば、その効果は何時間にもなるでしょう。
3つの直行するメリット
一度出社してから顧客を訪問するよりも、効率よく客先を回れることはもちろんですが、それ以外にも幾つかメリットがあります。
1. 目的に集中できる
出社すると、どうしても他の業務や電話などがしばしば入り、目的に集中できません。
特に貴重な朝の時間ですから、無駄を極力排除したいのですが、事務所に居るとそうもいきません。
事務所でも自分のペースで業務を進めたければ、業務開始時間よりかなり早く出社しましょう。
例えば出社を2時間程度早めると、事務所にいる人はとても少なく電話も鳴らないので、業務がはかどります。
必要な資料が事務所に行かないと入手できない、例えば「社印が必要」、「カタログが何十部も要る」など、やむを得ない場合以外は直行を選択したいですね。
2. 通勤で疲弊しない
都心、特に首都圏や関西圏に勤務する場合は、朝のラッシュは日常風景です。
満員電車などに長時間乗車しなくてはならないため、通勤だけで疲弊してしまいます。
また、社用車で通勤する場合は、交通混雑による長時間運転となり、この場合も消耗します。
業務を開始する前に通勤で疲れてしまうと、仕事の妨げになっています。
出社後、一旦放心状態になってしまう姿も見られます。
可能な限り、通勤しないで顧客訪問に集中できる、直行を選びたいですね。
3. VIPに会いやすい
始業時間に合わせて訪問しても、経営層は多忙でなかなか会えません。
相手側の都合が最優先されるため、アポイントも取りにくいのが現実です。
それでも、始業時間よりかなり早めの時間帯なら会える可能性が高まります。
経営層の中には、早朝に出勤してメールチェックなどの業務を、効率よく済ませている人が相当数います。
その時間帯に限り、短時間のアポイントならOKが出ることがあるのです。
アポイントが取れれば、必然的に直行することになります。
2つの直帰するメリット
直行と同様に直帰にも幾つかメリットがあります。
1. プライベート時間を確保できる
得意先からそのまま帰宅できるため、プライベートの時間をしっかり確保できます。
家庭を持っている人は、平日でも家族団欒の機会が得られます。
仕事も家庭も充実します。
独身者なら、アフターファイブを楽しめます。
直帰できるなら、仕事もプライベートも充実します。
2. 残業時間を削減できる
直帰なら帰社する必要がないので、顧客訪問が終わった時点で業務が終了となります。
業務終了時点で、会社への電話やメールなどで、1日の業務を報告します。
多くの場合、大幅な残業時間の削減が可能となります。
一方、個人的に見ると残業時間が減る=収入減となる可能性があります。
従って、労働時間ではなく成果で給与が決まる、成果主義を採用している会社の方が向いています。
直帰を進めて行けば、働き方改革の実現が容易になります。
営業が直行直帰するデメリット
直行直帰にはデメリットも多く、それをある程度解消する仕組みを予め構築しておく必要があります。
管理する仕組みが必要
勤務時間を自由にできる直行直帰では、それをチェックする仕組みが必要です。
一般的には、「直行直帰届」による事前申請をルール化するなどの仕組み作りが必要です。
予め直行直帰の予定を上長に報告して許可を得ることで、何時何処で何をするか本人が認識すると共に上長も行動を把握できます。
しかし、いくら行動計画をしても、それを実行するには意志の力が必要です。
人はどうしても、怠けたり楽な方を選択しがちです。
歯止めのために、最大限「直行直帰届」を活用しましょう。
会社側の管理が不十分
直行直帰では、特に独身者は行動管理・健康管理のリスクがあります。
日々の営業活動を十分把握できないため、場合によってはコンプライアンス違反となったり、顧客からクレームが出たりするまで、行動を放置してしまう可能性があります。
直行直帰が続くと、一定の期間会社関係者と顔を合わせずに仕事を進めるため、実際に体を壊すまで会社側も健康状態を把握できません。
年に一回の定期健診だけでは不十分な場合があるのです。
不規則になりがちな勤務時間や休日出勤などを、チェックできる体制を構築して、健康管理を徹底しましょう。
そもそも直行直帰には、自宅で何時までもだらだらと仕事を続けやすいリスクがあります。
自己管理がしっかりできないと、時間にルーズになりやすいためです。
相談・指導がおろそかになる
直行直帰の場合、職場との連絡は携帯電話やメールが中心になり、上長や職場の仲間と直接会う機会が少なくなります。
場合によっては、1ヶ月以上も会わない可能性があるかもしれません。
その場合、仕事の進捗状況の報告や、日々の不安や悩みなどの相談が気軽にできません。
また、上長からのタイムリーなアドバイスや指導も受けにくくなります。
必ず定期的に出社して、上長や職場仲間と会話するようにしましょう。
IT化の環境整備とリスク対策
直行直帰を推進するには、自宅のIT化など環境整備が必須です。
無線LANによるWiFi環境を整え、プリンターなど周辺機器を整備し、携帯電話だけでなくパソコンやタブレットなどとの接続を行う必要があります。
プリンターのインクやコピー用紙などの消耗品をどうするか、供給体制作りが必要です。
無線LANのセキュリティは十分か、USBメモリや外付け記憶媒体の管理はできているか、公私混同していないか、定期的なチェックが重要です。
社用車のリスク管理
社用車による直行直帰は、感染症予防のメリットがある一方で、次の点をチェックしなくてはなりません。
自宅または近隣で駐車場は確保できているか、その費用負担はどうするか。
夜間駐車や休日駐車の際、車内に会社の機材を放置していないか。
機材を放置すると、車上荒らしなどの被害にあった場合、個人情報漏洩などのリスクがあります。
営業の直行直帰のメリットを最大化する
直行直帰のメリットを最大化するには、どのようにすればよいでしょうか。
自己管理の徹底
直行直帰は時間が自由に使えるため、日々の行動ではある程度自分に厳しくすることが大切です。
予実管理を意識しながら、公私のメリハリをつけることで、自然と身について行きます。
予算達成に必要な営業活動とプライベートの時間を、しっかり区別しましょう。
自宅での仕事時間は予め決めておき、だらだらと続けることは避けてください。
飲酒後に仕事をしない、深夜に仕事をしないなどのルールを決めて、やむを得ない場合は早起きして対処すると仕事がはかどります。
直行して最初の商談が終了した後、次の商談まで時間が空く場合は、メールをチェックして日報を書くなど、空き時間を有効活用しましょう。
最後の商談が予想外に早く終了した場合、会社に報告をして直帰するのもよいですが、可能なら帰社し、直接上長に会って進捗報告するとよいでしょう。
上長不在でも、溜まった事務処理などを行えば、事務担当者の負担軽減にもなり、無駄になりません。
行動計画の徹底
直行直帰の営業活動には、行動計画を立ててしっかり実行することが重要です。
予算達成のために、最終的な目標からバックキャスティングを行って計画を立てましょう。
バックキャスティングは、予算達成の必須商談を成約するために、今週または今日何をするか、マイルストーンを何処まで上げるか具体的に計画する手法です。
それを具体的に行動計画に落とし込んで、確実に実行して行きます。
行動計画は、上長と共有し必要に応じて相談し、アドバイスをもらいます。
行動計画は予算達成を目標にしてください。
また、次期予算に向けた種まきの行動も、併せて計画に取り込んでください。
計画内容は販売会議などに合せてではなく、日々アップデートするようにしましょう。
成果を評価する
直行直帰によって達成できた成果を、半期や四半期ごとにしっかり評価しましょう。
評価は上長と共に実施して、自己評価と上長評価の突き合わせを行うと効果が上がります。
もし、期初に目標管理を作成していたなら、それとの対比も必要です。
予算が達成され、目標管理で目指した姿となっていれば、問題は無いでしょう。
直行直帰のメリットが、効果を発揮している証でもあります。
次はより高い目標を定めて、チャレンジして行きましょう。
一方、予算達成できず、それが続いているようなら、問題解決をしなくてはなりません。
営業プロセスのどの点を改善すればよいのか、営業スキルがもっと必要なのかなど、上長と分析し、対策を検討してください。
必要に応じて、直行直帰をやめて通常に勤務に戻して、状況に合わせて逐次上長と相談しながら商談を進めることも選択するべきでしょう。
営業の直行直帰は柔軟に
直行直帰には、営業効率を上げる、働き方改革を推進する、プライベートを充実させるなどの効果があることを理解していただけましたか。
その効果を十分発揮させるには、自己管理能力を磨かなくてはなりません。
自分に厳しく、メリハリをつけて働くことが、仕事とプライベートの両立には必要です。
翻って、直行直帰は会社組織を十分使いこなすことができないと、なかなか満足がいく結果が出てきません。
商談を主導して、組織力を活用しながら有利に進めて行ける人は、直行直帰で躍進します。
しかし、そうでないタイプの営業マンもいます。
そのような人は、直行直帰よりも、朝は出社し、仕事が終わったら帰社して、随時商談状況を上長と相談しながら進めた方がよいでしょう。
営業マンの性格や能力に応じて、直行直帰は柔軟に実施することがよいでしょう。
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