業務改善・効率化

営業組織の生産性向上の鍵は教育にあり!多くのマネージャーがする誤解とは?

新型コロナの影響で簡単にアポイントが取れない、顧客に会えない上に、イベントは軒並み中止や延期となった今、営業はとても厳しい時代を迎えています。

その一方で、Webを利用したデジタルマーケティングがどんどん進んでいます。

しかし、そんな現状でも営業の本質は直接の顧客対応です。

そこで求められているのが、営業効率の向上です。

営業マン1人1人を強くするため何をすれば良いのでしょうか?

その答えの1つが営業教育です。

個々の力を存分に発揮するには、そしてモチベーションをアップし持続させるには、しっかりとした教育を実施することが重要です。

こんな時代だからこそ、人に投資することがとても意味があります。

この記事では、営業教育の重要性について解説します。

営業の教育には生産性の向上が鍵

企業が持続的に発展するには、その強みを発揮して利益をあげ続ける必要があります。

殆どの企業では、直接利益をあげる組織は「営業部門」となっています。

厳しい時代になると営業には大きな期待がかけられます。

その期待に応えるため、予算を達成するため、営業活動を休みなく行っているのです。

しかしながら、気合や個人の努力だけでは、なかなか右肩上がりの成果は続きません。

予算達成のために、簡単に人も増やせません。

また、増やせば人件費という経費がかかり、利益を圧迫します。

それなら、1人1人の営業効率をアップさせるしか方法はありません。

まさしく営業生産性の向上です。

これまで、営業マン1人当たりが稼いできた売上や利益を、さらに増やすことを目標に、様々な対策を講じる必要があります。

しかしながら、叱咤激励しても営業生産性の向上は望めません。

一部の優秀な営業マンを持ち上げてその気にさせても、ごく少数の彼らだけでは、会社全体の売上や利益に貢献できる範囲は限られています。

何より彼ら以外の一般の営業マンが活躍しなければ、他社は一般の営業パーソンのテリトリーで、利益を出してシェアを確保するのです。

従って、全体最適を目指して、営業生産性向上を図る必要があるのです。

その答えの1つが営業教育です。

営業教育が人材育成の大きな柱であり、生産性向上の鍵になるのです。

 

人材育成と営業教育

一般に新入社員には、社会人としての一歩を踏み出すために、体系化された導入教育が用意されています。

営業部門に配属されると、導入教育の後に簡単な業界情報や商品教育を受けると直ぐに、現地で営業同行によるOJTが実施されます。

その後は、現地での実践教育をくり返しながら成長していくという過程を経て、キャリアアップして行きます。

企業によっては、1年経過後や3年経過後のフォロー教育があったりしますが、その先はあまり見えていません。

次は肩書が付く頃に実施する教育が多いと思われます。

一般社員から主任や係長に昇進する前に、候補者に対して実施する場合や、実際に昇進してから実施することもよくあります。

その次は課長になる頃、というスケジュールが多いのではないでしょうか。

 

一般営業向け教育の重要性

この様な旧態依然とした教育では、人材育成ひいては営業生産性の向上は、極一部の優秀な営業パーソンのみにしか効果がありません。

実際の所、彼らは教育が無くても自己研鑽を絶え間なく行っており、勝手に成長していく数少ないエリート営業なのです。

そして彼らは、何時でも他の企業に転職する可能性、またはヘッドハンティングされる可能性が高い人材でもあります。

重要な事は、そういったごく一部の営業ではなく、一般の営業の生産性を向上させる教育をしなくてはいけません。

一般的な営業パーソンは、入社後直ぐに現地に配属されて、その後1~2年はフォロー教育があるものの、それから後は全くケアされていないと感じています。

彼らは日々の忙しさに紛れて、何となく時間が経過するものの、くり返しそんな思いが浮かんで来ます。

彼らにもっとやる気を出させる方法は無いのでしょうか。

やる気を起こさせる1つの手段が教育なのです。

会社はあなた達に期待していると、アピールすることが重要であり、その手段が教育なのです。

それでは、どの様な教育体系を考えて実行すれば良いのでしょうか。

 

営業生産性向上のための教育

 

営業生産性向上のターゲットは、入社3年生から8年生まで、つまり30歳までの若手営業パーソンです。

彼らの営業効率を上げて行けば、営業部門全体がボトムアップされる上に、新人がそれを見て育つ効果も期待できます。

先ず、教育スケジュールをオープンにしましょう。

全国から営業マンを集める集合教育と、自己学習の機会を提供する2本立ての教育を提供するように検討してください。

実際の所、教育スケジュールをオープンにするだけでも効果があります。

その情報を聞いた当事者たちは、会社は自分たちの事をしっかり考えてくれていると思えるからです。

それなら期待に応えよう、と思う営業パーソンは結構いるのです。

 

教育内容について

実際の教育はどの様になるでしょうか。

最初の教育=5年目前後教育は、マーケティングやMBAの教育プログラムの一部を使った研修会が中心となるでしょう。

フレームワークや仮説思考など、現場重視の営業にパラダイムシフトを促す内容になることが多いでしょう。

また、第二弾としてプレゼン教育も効果があります。

お互いにプレゼンをさせて競わせることは、刺激になる上に、優れたノウハウを持っている営業マンのコピーをするチャンスでもあります。

良いとこ取りをすることで、教育後に実際の商談で活用して、スキルアップする効果が期待できます。

ここでのポイントは、研修後の自己研鑽の道を準備することです。

費用負担を軽減する仕組みとともに、研修後も現地でやる気があれば教育が受けられるチャンスを提示してください。

人を大事にする会社を全面的にアピールして、自己研鑽することが当り前の風土を作りましょう。

次の教育=7年目前後教育は、リーダー行動やチームビルディングなどの、肩書が付く前に、受講者は候補生だと思わせる教育を実施しましょう。

ここでは、集合教育のメリットを存分に発揮できます。

同期かその前後の営業マンが集合するため、競争意識がはっきり出る教育になります。

ここでリーダーシップを発揮させるよう、十分な準備をして実施してください。

外部講師の力を借りて、完成度の高い教育を行いましょう。

 

営業の教育環境を整備し、自己学習させる

教育=集合教育とならないよう、もう一つの工夫が必要です。

なぜなら多忙な営業を一カ所に集合させる場合、多くの時間をかけられないからです。

また、教育が終わればそれで全てお終いのような、一過性の効果しか無い恐れもあります。

その対策として、持続的な学習環境を整える必要があります。

それが自己学習環境の整備です。

いつでもどこでも、自分の意思で学習ができ、自発的に能力開発に取り組みやすい環境を整備しましょう。

タブレットまたはノートパソコンで、いつでもどこでも自己学習できるよう、予め環境整備とコンテンツの開発・準備を行いましょう。

商品知識、マーケティング、プレゼン、成約案件の紹介、経理の知識、コンプライアンス関係など、準備しやすいものから整えて行きましょう。

ここできちんと準備すれば、必ず会社の財産として優れたものになります。

予算をしっかり確保して、整備をしてください。

効果が高ければ、このノウハウを商品として販売する事も可能です。

また、競合他社にない特徴となるので、成約すればノウハウを安く提供するというセールストークとしても使えるでしょう。

自己研鑽または自律的な学習が、強い営業と強い組織を作って行きます。

年に1回か2回、選抜で自己研鑽の結果発表の場や、効果判定のテストの実施をすれば、より効果的になります。

是非、自社組織にあてはめて検討して下さい。

 

役職者向けの営業教育

ここまでは若手向けの教育についてお話をしましたが、役職者の教育も同じように重要です。

課長や部長、支店長や支社長など、重要なポジションを担う人材の育成・強化には、その立場に相応しい教育が不可欠です。

中心は、リーダーシップ教育、マネジメント教育、コンプライアンス教育などになるでしょう。

一方で、プライドの高い彼らにこそ、自己研鑽ツールを自由に使えるようにしておくと効果があります。

その理由は、今更マネジメントのイロハとか、商品知識なんて聞けないと思っている人も多いからです。

実際の商談で役職者に同行をお願いする場合、詳しい商品の説明など求めませんが、それでも知識が全く無い上司では役に立ちません。

優秀な役職者は、3ポイント程度の商品特徴だけを覚えて顧客対応することが多いです、

詳しい事は担当者にさりげなく振って、自分は重要なポイントのみ述べるというノウハウがしっかり身についているので、それだけで十分な対応ができるのです。

そうであろうがなかろうが、自己研鑽ツールは役職者も重宝するでしょう。

また彼らが評価すれば、教育担当者も評価されることになるので、損はないでしょう。

この様に、教育の体系をしっかり整えることで、会社全体の営業効率がアップする効果が期待できます。

教育を担当する皆さんが、しっかり経営層を口説いて、予算を確保しクオリティの高い営業教育を企画し実行してください。

人に投資すれば、必ず効果が出ます。

そして、その効果が長く続きます。

 

【まとめ】営業の生産性向上は今後必須になる

営業効率をアップするには、若手向けの教育を行うことが効果的という話しをしてきました。

そのためには、社内で多くの理解者や協力者が必要です。

先ずは、教育担当者と営業の責任者でしっかりシナリオを作ってください。

シナリオができたなら、なるべく多くの営業と話しをして、是非教育を行って欲しいという機運を高めましょう。

それが高まってきたなら、経営層へのプレゼンを行って予算を確保してください。

決して簡単ではありませんが、必ず会社の役に立つという信念のもと、熱意を込めて経営層を口説いてください。

営業は教育を期待しています。

会社がちゃんとケアすることで、営業職はさらにがんばれます。

生産性向上のために何をすれば良いのかわからない方はこちらを参考にしてください。

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