商談が最終の検討段階に入った時に、「その後いかがですか」と電話しても、良い返事が返ってくることはめったにありません。
それでも商談のフォローはせざるを得ません。
さっぱり進展しなくても、仕事ですから結論が出るまであきらめることはできません。
何度もフォローの電話をしたり、客先を訪問する営業活動が「後追い営業」です。
後追い営業は本当に必要なのか、必要ならもっと効率よくできないかと思いますよね。
日頃苦労している後追い営業を、この機会に見直してみましょう。
この記事では、意味のある後追い営業について検討し、より効果的な方法を提案します。
目次
後追い営業とは?
即決の商談でない限り、営業が商品やサービスを提案した後に、顧客が意思決定のために検討する段階があります。
その検討段階の顧客への働きかけ、つまり自社に決めてもらうための営業活動を、「後追い営業」と言います。
そもそも、提案後に何もしない営業は殆どいないと思います。
「早く自社で意思決定してもらいたい。」
「他社にならないよう、追加でコメントしておこう。」
「何か物足りない点が有れば、対応して有利に進めたい。」
「なるべく価値を高く評価してもらい、値崩れを防ぎたい。」
担当営業は、以上のような気持ちを「後追い営業」をする際には持っています。
そして、顧客の検討状況や意向を確認して、今後のスケジュールを明確にしたり、結論を出すための最後の一押しの営業トークを展開します。
後追い営業を効果的に
顧客が意思決定をするためには、その必要性が切実であることが条件となります。
何としても、その商品・サービスが必要であると言うニーズがなくては、ただ興味本位で話を聞いている場合と大差ありません。
例えば、会社の設備が故障がちとか、サービス終戦で修理ができないなどの事情があれば、速やかに意思決定するでしょう。
一方、設備がリース物件の場合、リースアップする時期を見計らって検討をすることはあっても、直ぐに意思決定する理由は希薄です。
場合によっては再リースという選択肢もあるので、余程魅力的な提案をしなくてはなかなか決めてはもらえません。
このような顧客の事情に頼っているだけでは、効率よく後追い営業を進めることはできません。
どうすればもっと効果的な後追い営業ができるのでしょうか。
それには、優良な見込み客をどの様に集めればよいかを検討する必要があります。
後追い営業で大切なことは見込み客を選別する仕掛け
商談を大きな停滞なく進めるには、優良な見込み客を集めることが重要です。
イベントなどで集客してリードを集めて、そこから選別する方法が一般的ですが、そこには工夫が必要です。
しかし、毎日イベントは開催できませんから、日々集客する仕組みとの組合せが重要です。
なお、具体的なイベントに関しては後述します。
ホームページの見直しをする
日々の集客には、自社のホームページを最大限活用することが適しています。
先ずはホームページに仕掛けを施して、優良見込み客を集めましょう。
ところで、ホームページの更新は定期的に行われていますか。
見込み客が興味を持つ情報が、しっかり掲載されているでしょうか。
ただ単に、自社商品・サービスの紹介だけに終わっていませんか。
優良な見込み客がネットで検索する際に、どんなキーワードで検索をするかよく検討して、ホームページを再構成しましょう。
商品・サービスについては、ユーザーの声や評価を積極的に取り入れて、選定の参考となる情報を入れて行きましょう。
リードを多く獲得するために、「問合せ」「資料請求」「メルマガ」「無料コンテンツ」などのページへ簡単に移動できるようにしましょう。
更新=情報発信を短いサイクルで行い、見込み客が本気で資料請求したいと思う会社になれば、そこで得られたリードは近いうちに意思決定する見込みがあります。
ホームページを整えて行きながら、そこに更なる仕掛けを施しましょう。
セミナーを企画する
優良なリードを積極的に集める方法として、セミナー(ウェビナー)があります。
展示会だけではなかなかターゲットとなるリードにヒットできませんが、見込み客にとって有益なセミナーとの組合わせれば、効果が期待できます。
それではどの様なセミナーを開催すればよいのでしょうか。
その内容は企業によって様々ですが、現代社会のニーズに対応したキーワードを参考にすればよいでしょう。
代表的なキーワードは、いくつもありますが、ここで一部を紹介しましょう。
5G、クリーンエネルギー、ユニバーサルデザイン、EV(電気自動車)、AI、ロボット、リモートワーク、キャッシュレス、暗号資産(仮想通貨)、健康、介護、認知症、独居、超高齢化、人工肉、SDGs、環境、異常気象など。
会社の理念やビジョン、または商品・サービスと関連付けたキーワードを使ってセミナーのテーマにしましょう。
テーマを決めたら、適切な演者を選定してプログラムを策定します。
演題が2~3題とし、3時間を超えないプログラムが適切です。
時間に余裕があるなら、自社の紹介を15分以内で行ったり、セミナー終了後に相談コーナーを設けてもよいでしょう。
製品の展示も併設すれば、その場で実物を見せられるので効果が期待できます。
魅力的なセミナーを企画できたら、ホームページに掲載して参加者を募りましょう。
周知のための期間を2週間、募集期間を2~3週間程度にして、定員は会場の規模によりますが、最大100名程度で実施するとよいでしょう。
ホームページからまたはFAXの申し込みにしましょう。
ウェビナーを開催する
交通の便が良くて、ある程度の広さの会場を用意し、社員やアルバイトを動員するセミナーを何度も開催することは、現実的には難しいでしょう。
また、コロナ下では、会社モラル的に難しいこともしばしば。
代わりに、評判が良かった講師によるウェビナーを、定期的に企画するとよいでしょう。
セミナー当日にアンケートを実施して、講演に対する評価を集計しておけば、どの演題が好評だったか分かります。
現在は新型コロナの影響で、多くの企業がリモートワークやリモートで会議を行うようになりました。
そのためのツールとして、「ZOOM」 や「Teams」という仕組みが利用されています。
三密を避けることが当然となった今、オンラインで開催するウェビナーがセミナーの主役になってきています。
「ZOOM」 も「Teams」も普及しているツールなので、これらを用いてウェビナーを比較的手軽に開催できます。
ホームページから参加できるようにしておけば、それだけで集客できます。
定期的に優良リードを集めるには、魅力的なテーマのウェビナーはとても適しています。
講師の承諾が得られたなら、録画してオンデマンドで見ることができると、さらに良いですね。
ウェビナーは同じ内容を何度か繰り返しても構いませんが、参加者が異なるため必ず質問またはディスカッションの時間を設けて、きめ細かい対応をしましょう。
参加人数にこだわらず質を優先し、必ず事後のアンケートを実施してください。
ウェビナー後は、後追い営業
セミナー(ウェビナー)の参加者には、当日はもちろん、その後のフォローを丁寧に行いましょう。
貴重な時間を使ってわざわざ参加する見込み客の多くは、近いうちに商品やサービスを購入する可能性が高いと判断できます。
講演内容の詳しい資料を、アンケートを提出するとダウンロードできるようにする(パスワードを開示する)と良いですね。
後追い営業をすることで、より自社への理解が深まりますが、肝心なことは客先を訪問することです。
ただ単に電話やメールで、セミナー参加のお礼と「その後はいかがですか?」では全く脳がありません。
顧客にとっても、営業マンにとっても、商談を顕在化することは大変重要なので、必ず訪問するようにしましょう。
電話やメールで、「正式に見積りさせて頂けますか」「導入メリットについて説明させて頂けますか」「おすすめの構成内容の報告に伺いたいのですが」など、お礼と共に具体的に訪問する意思を伝えましょう。
もしも良い返事がもらえなかった場合は、最低でも今後のスケジュールについて確認しておきましょう。
「それでは何時頃を目途にご検討されますか」「ではご提案資料を送らせ頂き、2週間後にまたご連絡致します」「来月のセミナーの参加はいかがでしょうか」など、期日の目安になる言い方を使いましょう。
また、提案する商品・サービスが納期に時間がかかる場合には、それを明確に伝える必要があります。
希望の稼働日程があるなら、例えば3か月前に発注しないと間に合わないと、きちんと伝えましょう。
それがスケジュールをはっきりさせることにつながります。
後追い営業で上手にクロージング
商談が本格化して最終段階まで来た時に、また後追い営業が必要になってきます。
それは、各社がプレゼンした後にやってきます。
例えば、最終見積りを提出した後にやってきます。
この段階では、「自社を有利に導くため」または「不利な状況を挽回するため」の後追い営業になります。
「ご希望の仕様は弊社しか対応できません」「標準構成だけで対応する会社は使い勝手が悪いですよ」「お分かりでしょうが、今回は特別価格を出しております」などと言って、
相手の意思を確かめたり、固めさせたりします。
最終段階の後追い営業ですから、なりふり構わず成約するために進むことが重要です。
相手から訪問禁止と言われない限り、客先に足を運んでフォローすることが一番です。
直接会って話をすることで、伝えたいことがどれだけ効果があるか判断ができます。
最終段階の後追い営業は、結果を左右する最後の一押しの役目があります。
顧客の迷いを払拭するために、最善の提案だと意識付けて決断を促します。
他社の提案との違いを端的に示して、自社の提案をより有利に導きます。
【まとめ】後追い営業で良い結果をつかめ
できれば商談は早く決着させたいですよね。
だらだらと結論を先延ばしにされて、良い結果になることはめったにありません。
そうであっても、結論が出るまで諦める訳にはいきません。
後追い営業は、言葉の響きがよくありませんが、顧客に結論を促す重要な営業活動です。
しつこい位で丁度よいのですが、やりすぎは禁物です。
電話やメールでの後追い営業は最小限にして、可能な限り客先を訪問して営業活動を行いましょう。
現在ではオンライン営業が良いかもしれませんね。
オンライン営業のコツはこちらからご覧ください。
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そして、後追い営業は、顧客に自社提案の優位性を再確認させて決断を促す営業活動です。
いずれにせよ最終段階ですから、良い提案をして顧客に納得してもらいましょう。
悔いのない、後追い営業を全力で行いましょう。
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