営業の転職 職種別解説

営業から別業種にキャリアアップ!未経験の転職で検討すべきキャリアプラン【前編】

営業はキャリアアップや成長を目指す人には、うってつけの仕事と言えるでしょう。成果を出せば給与も多く貰え、実績があれば他社への転職も容易になる、市場価値を上げやすい職種だからです。

ただ、ひとつの企業で数年営業をしていると、様々な問題でキャリアアップや成長が見えなくなるタイミングがだいたい来ます。

年功序列やポストなどの組織上の問題、または業界全体の停滞・縮小のような市場の問題、あるいは自分に合わない人間関係や商材特性など、様々な問題があります。

そんな時に頭をよぎるのが転職ではないでしょうか?そしてせっかく転職するなら「もっと自分に合う組織で、自分に合う業界や商材の営業をしたい!」あるいは「別の営業系職種にもチャレンジしてみたい!」と思うのが普通です。

もしかしたら、不当な営業組織に所属してしまったせいで「営業以外の職に移りたい…」と思う方もいるかもしれません。

しかし未経験だと、別業種(業界・職種)に関する知識は勿論、いざ面接や将来を考える時のキャリアプランもなかなか想像しにくいのが実状ではないでしょうか。

本記事では、営業・販売職の転職・キャリア支援を日頃から行い、営業ノウハウ本を出版予定の「営業のキャリア専門家」が、別業種への転職に関する基礎知識や、未経験の業界・職種へのキャリアプラン・キャリアチェンジに関してまとめました。

別業種(業界・職種)に転職を検討されてる営業の方は、是非この記事を参考にしてみてください。

 

この記事でわかること

  • 営業を経験した人が知っとくべきキャリアの考え方
  • 自分が未経験の別業種(業界や職種)への転職方法
  • 別業種(業界や職種)を検討する際のキャリアプランの設計方法

 

営業のキャリアプランとは?どうすればキャリアアップできるのか?(前提知識)

言葉の定義だけすり合わせておきましょう。転職を考えると「キャリア」という言葉を色々聞くと思いますが、一体どんな意味なのでしょうか。

厚生労働省によると、キャリアとは

過去から将来の長期にわたる職務経験や、これに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すもの

「キャリア」とは - 厚生労働省 -

と定義しています。長くてわかりにくいですね。要約すると、

将来に向けた能力開発の積み重ね

のことをキャリアと言えるのではないでしょうか。決して所属企業の履歴転職することのみをキャリアと呼ぶわけではないのです。

 

キャリアプランの考え方

特に弊社では経済産業省の出している「人生100年時代の社会人基礎力」をベースにキャリアを論じており、この図表にある「アプリ」と「OS」がこの記事では度々出てきます。

キャリアは、能力開発の積み重ね(横軸)。ということは、図にもあるように、キャリアは業務パフォーマンス(縦軸)に影響する、ってことをまずは理解頂ければ良いでしょう。

そしてキャリアプランというのは、この図のようなキャリアの計画(プラン)を作ることを指します。

営業には特別な資格や、エンジニアやデザイナーのような成果物もないので、このキャリアが非常に重要になります。そしてまたキャリアプランも、キャリアを形成していく上での設計図や道標となるもので、非常に重要なのです。

 

キャリアプランと業務パフォーマンスの相関性

弊社では、毎週毎月と セールスキャリアラボ という勉強会やMeetUpイベントを主催してます。

毎回トップセールス、圧倒的な営業成果を出して役員になった方、営業力を武器に独立or起業された方など、かなりの実力者をゲストでお呼びしています。

彼らは基本的に、全員自分のキャリアに対する意識が非常に高い、ということが、会を重ねるごとにわかってきました。

しかも話を聞いていると、キャリアを意識するとパフォーマンスが上がっている方が多いようです。

ちなみに、7割の働き手は「キャリアの棚卸しをしたことがない」らしいです。

統計的な検証はまだ出来てませんが、パレートの法則(2:8の法則)にも近いので、普段の業務パフォーマンスにキャリア意識が関わっている可能性は高いでしょう。

つまり定期的に、将来に向けた能力開発の積み重ね(キャリア)を意識するだけでも、現状の営業成績が上がる可能性があるのです。

なので、今の業務パフォーマンスを上げるために、自分のキャリアを考えてみるのも良いでしょう。

 

営業から別業種への転職(キャリアアップの基礎)

ここから本題に入っていきましょう。キャリアプランにおいて別業種に転職することを、一般的にはキャリアチェンジと言います。

これまで経験・習得してきた職務内容から、 全く別の経験の無い職務内容へと変わる、移ること

キャリアチェンジ - Weblio -

例えば営業においては、不動産営業からIT営業といったように「業界」を変えること。

または、営業職から人事職へといったように「職種」を変えること。

あるいは、その双方が変わる過程(図表の赤い矢印)のことをキャリアチェンジと言って相違ないでしょう。

がぞ

図を見ればお分かりかと思いますが、営業のキャリアチェンジというのは、全部で3種類あります。

  1. 知ってる職種(営業)のまま、知らない業界に行く
  2. 知ってる業界(同じ業界)のまま、知らない職種に行く
  3. 知らない業界の、知らない職種に行く

本記事では、この3種類の順番で説明していきますが、難度は1→2→3の順番で難しくなっていきます。

営業から別業種への転職(キャリアチェンジ)を検討をする際は「自分がどのキャリアチェンジをするのか?」あるいは「キャリアプランをどうやって設計していくのか?」など、ポイントをしっかり抑えておきましょう。

 

営業のキャリアチェンジで起こりやすい3つのポイント

営業のキャリアチェンジを考える際に考えておくべきポイントは、大きく分けて3つあります。

  • ポテンシャルを優先するため、若手の方が有利
  • 給与条件は、多くの場合下がる
  • 成果が全く出てない場合、キャリアチェンジは難しい

ひとつずつ見ていきましょう。

 

ポテンシャルを優先するため、若手の方が有利

キャリアチェンジの転職というのは、ポテンシャル採用の意味合いが強くなってしまいます。

ポテンシャル採用とは、過去の実績ではなく、潜在能力を重視した選考により、今後大きな成長が期待できる人材を採用することです。

キャリアチェンジをすると、これまで獲得してきたスキル、つまり「アプリ」がガラッと入れ替わってしまうからですね。

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つまり多くの場合、インストール容量の空きが多い「若手の方が有利」となってしまいます。

 

給与条件は、多くの場合下がる

また年収などの給与条件は、多くの場合下がるというのも意識しておきましょう。

企業側が、応募者の未来の成長ポテンシャルにかけて採用しようとしてるのに、応募者側が未来に向けた成長機会と捉えてキャリアチェンジが出来ないのであれば、既にアンマッチな状態なので、キャリアチェンジは辞めた方が良いです。

実は以前は40~50代の方の転職支援もしていたのですが、キャリアチェンジとなると、給与条件や自分のパフォーマンス予測などを考慮してみなさん諦められてました。

上記のことを一般知識として頭に入れておくと、今後のキャリアを検討しやすくなるでしょう。

 

成果が全く出てない場合、キャリアチェンジは難しい

成果が全く出ていない状態だと、キャリアチェンジはかなり難しいです。当たり前ですが、最初の選考は書類選考になります。

この時、達成率100%以下がずっと続いている職務経歴書は、経験上書類選考でほぼ通過しません

そのため、まずは一定期間でもいいので、目標以上の成果を出す必要があります。なので、成果が出てない状態で仮にキャリアチェンジをしたい場合は、

  1. まずは目の前の仕事で一定成果を出す
  2. その後にキャリアチェンジを検討する

というステップを踏むと良いでしょう。

このように、キャリアチェンジというのは「成果を出した後に、その成果を生贄として、自分の将来や成長のために行う、リスクを覚悟した転職」となります。

これはキャリアチェンジの際に最も考慮すべきことですので、しっかり頭に入れておきましょう。

 

営業から別業界へキャリアアップ転職(業界のキャリアチェンジ)

キャリアチェンジの難度は、図表の1→2→3の順で、営業においては1が最もしやすく、3が最もしにくいキャリアチェンジとなるのは後述しました。

また最も相談の多いキャリアチェンジが、営業として、知らない業界に転職をする1のケース(業界のキャリアチェンジ)なのです。

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業界のキャリアチェンジがしやすい理由として「その営業パーソンが成果を出した要因を全て因数分解すると、結局個別変数が多くなってしまい、自社に当てはめた際の評価が非常に難しいから」ということが挙げられます。

今でも「営業」と言ったらだいたい一括か、新規営業や既存営業、あるいはThe model的な分け方をしてるくらいが一般的です。

でも実は業務内容だけでも、例えば同じ「新規営業」といえど非常に業務は多岐に渡り、同じ職種名なのにやることが全然違ったりします。

(営業の職種に関しては「営業職の種類や特徴を5つの切り口で解説!オススメはこれだ!」もご参考ください。)

 

営業から別業界へのキャリアプラン

会社のカルチャー、上司やチーム、業界・商材の特性、営業先の規模や担当の特性なども加わり、これに個別の営業パーソンの性格やスキルなど加えたら… 変数が多すぎて、量子コンピューターでも正確には計算出来ないレベルになるでしょう。

よくある営業職系の求人の書類要件に「現職で突出した成果を出した人」という、誰から見てもわかる評価を求める記載があるのは、このためだと考えられます。

要するに極端に言ってしまうと、面接するまで、あるいは面接をした後も、ざっくりした予測値でしか営業パーソンを評価出来ないのです。

なので、自分の営業スキルや成果要因を分析をする。転職希望先の商材、営業スタイル・手法を調べて予測する。想定顧客の課題仮説や、自分のやりたいことなどを重ね合わせ、念入りに調べて準備をする。

このように「アプリ」に関しての準備を念入りにすれば、勝ち取れる可能性が高くなります。同じ営業なので、イメージもしやすいですね。商談前と同じです。

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ある方は、志望先の顧客課題の仮説や営業戦術に関する意見を、合ってる間違ってるに関わらず具体的に自分の言葉で語れていたことを評価されていました。

逆に僕との面接前の確認時点で、自分の営業スタイルや、志望先の企業や商材との重ね合わせが出来なかった(アプリを深堀り切れなかった)方は、「活躍イメージが沸かない」「経験不足」というような類の理由でお見送りになっているケースが多いです。

もちろん、OSに関してもしっかり準備する必要はあるので、そこは勘違いせずしっかり考えておきましょう。

これはほぼ全ての採用面接に共通しますが、役職が上の人になればなるほど、OSを重視する傾向が強くなります。

上記を抑えておくと、かなり勝率の高いキャリアチェンジが出来るのが①となります。

 

失敗しないキャリアプランの見極め方

別業界は、自分がいた業界とは違うルールで動いているので見極めが難しいですよね。

もし「特定の業界」に拘りがないのであれば、オススメの見極め方法が存在します。

それは、プロダクトライフサイクルを見極めることです。

世の中の全ての事業や商品には「プロダクトライフサイクル」というのがあり、技術的革新によって事業として興され、停滞を迎えて市場から消えていく、この青い曲線のように流れていきます。

このグラフ上の【導入期】【成長期】【成熟期】【停滞期】にはあらゆる業界や事業に当てまり、当然事業や商品と密接に繋がっている営業職にも適応することが出来ます。

  • 導入期:新しくビジネスとして始まった業界。
  • 成長期:そこが儲かると知れ渡り、徐々に参入者が増えてきた業界。
  • 成熟期:誰でもできるレベルまで仕事が汎用化された業界。
  • 停滞期:テクノロジーによって人の仕事が代替され、ほぼ人がいらなくなった業界。

ざっくりと各サイクルでの解説をしていきます。

【停滞期】は、人間の仕事がなくなる寸前なので、当然ですが業界に拘りがない人にはオススメしてません。

一見良さそうな【成熟期】は、近い未来に仕事が代替されていくのも勿論ですが、「営業の市場価値」が上がりにくいためあまりオススメしてません。

この状態の業界は、既得権や、特定資格のような大きなハードルを設けて成り立っている場合や、昔からの大手が圧倒的な物量戦で成り立ってる場合が多く、営業としての自分の市場価値の差別化がしにくくなるからです。

圧倒的な成果を残すような「トップセールスになる」事ができれば別ですが、それはプレイヤーの中でも上位ごく数%の話。

成熟期で営業をし続けてしまうと、成果を出していなくても最初はお金もそこそこもらえるのですが、年を重ねてから苦しくなる可能性が高まるでしょう。

もちろん人付き合いや数を打つのも営業の重要なスキルなのですが、それだけだと、これからの時代において営業としての価値を保てなくなります。

なので僕は、ある特定の限定した新興領域などで「売れる状態や、売れる仕組みを作るスキル」を経験として積めると、営業としてオンリーワンを目指せるのでおすすめしています。

ここを目指すなら、これから売れる仕組みを作らないといけない【導入期】や【成長期】で経験を得るのが良いでしょう。

 

成長期の業界で「売れる仕組みを作る」

例えば、下記のようなポジションをキャリアとして作っていくイメージです。

  • 〇〇業界の□□関連の事業の立ち上げの初期営業が得意です!
  • ●●な商材を扱う■■から▲▲な営業組織を作るのが得意です!
  • △△系のサービスの✕✕な事業ステージでの営業拡大が得意です!
  • 〇〇業界の□□関連における課題全般を解決するのが得意です!

僕は運営している営業コミュニティや弊社の営業イベントコミュニティで、300人近い優秀な営業の方と日々お会いしています。

その中でも上記が語れる人は何が出来る人なのかが明確で、機会があれば次に会いやすいですし、お客さんを紹介しやすいです。

なので、個として自分の市場価値を上げていくというのは、トップセールスになる以外の営業の新しいキャリアになるのではないか、と考えてます。もちろん一定以上の成果を残すことは前提の話ですが。

これらを目指すなら、これから売れる仕組みを作らないといけない【導入期】や【成長期】で経験を得るのが良いでしょう。

ちなみに【導入期】では、未開拓市場過ぎて、その市場が近い将来に思ったより伸びなかった…。という状況になる可能性がありますので、初心者や若手すぎるとリスクが高いのも事実です。

この辺の見極めは、詳しい人に聞くか、徹底的に調べるしか方法がありません。

例えばIT業界でいくと、米Gartner社の出してる「テクノロジのハイプ・サイクル」を見ると、テクノロジー領域周辺の導入期と成長期を見分る示唆を与えてくれます。

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僕は元々理系で、米国シリコンバレーで現地のテクノロジースタートアップの調査会社で働いていた経験もあるので、ITやテクノロジー関連の調査は割と得意です。

この辺は業界ごとに色々調べる方法があるので、自分の興味ある業界をまずは徹底的にググるか、詳しい人に聞くのが最も効率的です。

もし「ある特定の業界」に拘りがないのであれば、特に成長予測がしやすい【成長期の業界を狙うと良いでしょう。

 

【前編のまとめ】営業から別業種にキャリアアップ!未経験の転職で検討すべきキャリアプラン

前編ではキャリアプランの基礎から、営業として別業界に転職する「業界キャリアチェンジ」の方法、オススメのキャリアプランをご紹介しました。

情報量が多かったと思うので、改めてまとめです。

【キャリアの基礎】
・キャリアとは「将来に向けた能力開発の積み重ね」である
・キャリアを意識すると「業務パフォーマンスが上がる可能性がある」
・キャリアプランは、アプリとOSで構成されている

【キャリアチェンジの基礎】
・キャリアチェンジとは、業界や職種を変えて、アプリを再構築すること
・営業のキャリアチェンジの特徴は大きく3つ
 ① ポテンシャル色が強くなるため、若手の方が有利
 ② 給与条件は、多くの場合下がる
 ③ 成果が全く出てない場合、キャリアチェンジは難しい


【営業から別業界への転職(業界のキャリアチェンジ)】
・業界のキャリアチェンジは最も難度が低いから最初は狙い目
・アプリに関して準備を念入りにすれば、勝率が上がる
・役職が上の人になればなるほど、OSを重視する

【失敗しない別業界の見極め方】
・業界に拘りがない人は、成長期の業界を探し出す

・「売れる仕組みを作る」力をつけると、その後のキャリアが安定する
・業界を見つけたら、まずは徹底的に業界を調べてから企業選定に入る

・業界に関してわからなければ専門家に聞く

 

後編では、営業から別の職種(企画、人事)などに転職をする「職種キャリアチェンジ」、また、業界も職種も両方変える「業種キャリアチェンジ」についてまとめています。

この2つはかなり制約が大きく、ポイントを抑えないとなかなか上手くいかないので、もし興味がある方は、下記の後編をお読み頂くことをオススメします。

営業から別業種にキャリアアップ!未経験の転職で検討すべきキャリアプラン【後編】

目次 営業から別業種にキャリアアップ!未経験の転職で検討すべきキャリアプラン【後編】営業から別業種にキャリアアップ!未経験の転職で検討すべきキャリアプラン【前編】前編のおさらい(営業から別業種にキャリ ...

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とはいえ、営業の転職は、自身に合った優良求人を見つけるのがかなり難しく、ここが転職で失敗する際の一番の原因になっています。

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そこでまずは、営業の転職のプロに相談し、キャリア相談だけでなく、企業ごとの営業職務や、企業の内情や裏情報を専門家から直接聞くのも手段の1つとして良いでしょう。

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石塚卓也

エニーセールス・マガジン編集長。マレーシア・シリコンバレーのスタートアップ、日系のベンチャー、営業フリーランスを経て起業。IT営業に関する本の出版や、セールスコミュニティの運営なども手掛ける。元サッカー馬鹿。

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