学生時代と比べて、社会人になると数字を意識することが多いかと思います。
営業では売上数字、マーケでは獲得リード数など目標が数字として表現されます。
目標が数字で表現される一番の理由は、解釈のズレが少ないからです。
逆に目標が定性的だと人によって解釈がズレてしまい、目標を達成しても期待した結果がでないなどの問題があるため、組織の目標は定量的な数字に頼る部分があります。
数字は具体性が高く、説明や説得で大きな力を発揮するため、数字に強い人はビジネス界で重宝されます。
ビジネスにとって切っても切り離せない数字について解説していきます。
目次
数字を見る必要性
まずは、ビジネスパーソンが数字に強くなる必要性を考えていきましょう。
数字に強い状態とは、その数字の成り立ちを理解することと定義します。
暗算や計算が早いのもビジネスパーソンとして評価はされますが、
それよりもその数字がどうしてそうなっているのかを理解することが重要です。
例えばAさんが月100万円の売上を達成した時に、それが10社で達成したのかそれとも1社で達成したのかで次回へのアクションが変わります。
1社であればその1社から来月以降もその売上が狙えるのか、それともスポットだけだったのか、などを考えます。
10社で売上を立てたのなら、その要因は何だったのか、その中でも一番売上を立てた顧客はどこなのかを探り、一番売り上げの高い会社を手厚くフォローするかなどが考えられます。
一つの数字を分解しないと、その数字がどうして成り立っているのかを理解できません。
数字を分解して、理解することでビジネスパーソンとして成長していけるでしょう。
数字に強くなるメリット
ここでは数字に強くなるメリットについて話していきます。
社会人になると沢山の数字を扱うことがあるので、数字に強いとメリットを実感できると思います。
しかし、どのようなメリットがあるか理解している人は少ないので、学んでいきましょう。
数字に強い人の条件
数字に強くなるメリットは、分析ができることです。
分析ができるということは、人への説得力が増したり、現実性のある計画を立てることができたりと多くのメリットがあります。
ビジネスの世界では1つの数字が1つの結果で成り立っていることはあり得ません。
1つの数字ができるまでには、沢山の数字があり、その結果1つの数字が生まれています。
会社の月の売上は部署全体の数字の合計、1部署の売上数字は一人一人のセールスパーソンの売上数字の合計となり、そのセールスパーソンをどのくらい雇用するかは人事計画で決まっていたりと1つの数字には他の数字が複数関わっています。
これらの数字を丁寧に分解していくスキルがあると、人を説得する時の力になります。
その他にも、どのような計画を立てればいいかを的確な数字で表現することで、目標達成の現実性が高まります。
そういった数字の流れを理解出来ていると数字に強い人と言われます。
学生では暗算や計算が早い人が数字に強いと言われがちですが、
社会人では計算の早さよりも数字の分析ができる人の方が数字に強いと言われます。
どんな数字に強くなる必要があるのか
社会人ではどんな数字に強くなる必要があるのかが気になるかと思います。
1つの数字を分析するにも沢山の数字があることを話してきましたが、今回は営業に関わる部分に集中して説明します。
営業パーソンにとって肝心な数字ですので、どのような数字に強くなる必要があるかを覚えておきましょう。
目標数値を明確にする
営業パーソンにとって強くなる必要がある数字は、目標数値です。
目標数値は月の売上目標や商談件数など、会社や個人によって様々です。
上司から言われる場合もあれば自分で設定をする場合もありますが、その数値の妥当性を確認する必要があります。
というのも達成が不可能な、現実とかけ離れた目標となっている可能性もあるからです。
もちろん、会社では常に成長を求められるため、時にはチャレンジな目標もありますが、毎回チャレンジな目標に挑戦して失敗していると、モチベーション維持が難しくなります。
目標数値を分析して、その数字をしっかりと咀嚼した上で計画を立て、行動していきましょう。
逆算した数値目標を作る
逆算した数値目標を作ることができれば、数字に強い営業パーソンになります。
目標を達成するには逆算して行動をするようにと言われることが多いかと思います。
逆算した行動の裏にどの数字を追っていくのかを数値化して目標を作ります。
逆算した数値目標を作るときは下記概念を理解すると作りやすくなります。
KPI:KPIとは組織や企業の目標進捗を数値で定義化することです。
ちなみに「Key Performance Indicator」の略称で、日本語では、「重要業績評価指標」と訳されています。
KGI:KGIとは企業や組織が展開する製品やサービスの、到達したい目標の定量的評価をするための指標のことです。
ちなみに「Key Goal Indicator」の略称で、日本語では、「重要目標達成指標」と訳されています。
売上100万円を達成したい時に、平均顧客単価が10万円だとすると、10社から買ってもらうことで達成できます。
そうなると10社の顧客を持つことになりますが、既存顧客が3社しかないとすると残り7社は新規開拓をしなくてはなりません。
7社を新規開拓するには、何件の商談が必要で、その商談をするには、何件のテレアポをしなければならないのかを逆算できるようになれば目標達成の可能性が高くなります。
その行動にかかる時間も把握しておくことで、より現実的な目標になり、目標実現に大きく近づきます。
営業パーソンは目の前の売上数字をガムシャラに追ってしまう傾向が強いため、
しっかりKPI、KGIを意識して日々の行動をブラッシュアップしましょう。
売上アップに必要な数字
売上アップに必要な数字に強くなると、セールスパーソンとして力がついたことになるので抑えておきましょう。
売上は下記の数字に置き換えることができます。
売上=顧客数×顧客単価×購入頻度
売上を上げようと思った時に、安易に新規開拓をしてはいけません。
数字に強いセールスパーソンは、現状の分析から始めます。
上記の数式のうちどこが落ちていて、どこを伸ばすべきかを分析してから計画を立てていきます。
分析の際は、上司や同僚、業界の平均値を知っておくと計画の解像度がより上がります。
売上アップに必要なのは3つ(顧客数・顧客単価・購入頻度)の数字だけです。
どの数字を上げても売上アップに繋がります。
顧客数が伸びない場合は、既存顧客の単価を上げましょうと提案するだけで数字に強い人だと思われるでしょう。
数字に強くなる方法を解説
前項ではどのような数字に強くればよいのかを紹介したので、ここでは数字に強くなる方法を解説していきます。
数字に強くなるとメリットが多いので、日常で意識してしっかりと成長しましょう。
仮説思考
数字に強くなる方法の一つ目は仮説思考です。
仮説思考とは、情報が不十分な中でも当たりをつけて仮で答えを探しだす思考方法です。
なぜ仮で答えを出す必要があるのかと言うと、ビジネスの世界では不確定要素が多いからです。
顧客理解をどんなに深めていても、分からない部分はどうしても出てきます。
その分からない部分を100%理解してから行動に移していては、行動が遅くなり、目標達成が難しくなります。
そこで仮説を用いる時に数字を使うことが重要になってきます。
あくまでも仮説なので、のちの検証作業を行います。
その際に数字を使っていれば、仮説と現実のギャップを冷静に分析することができます。
自分の中で、ある程度の情報を集めたと思ったら仮説を立てて行動に移していきましょう。
日々の行動をモニタリング
日々の行動をモニタリングすることも数字に強くなる方法の一つです。
行動をモニタリングするとは、数字として記録していく作業です。
行動を数字化していくと、1日の流れや、どうしてその結果になるのかが見えてきます。
例えば1件の新規アポイントを入れるのに100件の架電が必要だとします。
1件当たりの架電時間を把握していれば、1件の新規アポを入れるにはどのくらいの時間が必要かが分かります。
社会人になると決められた時間内で行動することが求められるので、
何をするにも数字ベースで記録をしておくと良いでしょう。
上司のマネをする
最後に紹介する数字に強くなる方法は、上司のマネをすることです。
上司は部下を管理・マネジメントするためにあらゆる手法を用います。
その中でも、上司は一人一人の営業数字に特に気を使っているでしょう。
自分が上司の立場だったらどのような目標数字にするのか、そして何故その数字にしたのかをマネすることで一つ上の立場から数字について学ぶことができます。
【まとめ】数字に強いビジネスパーソンになって必要な人材になろう!
数字に強いビジネスパーソンになる必要性について解説してきましたがいかがでしたか?
社会人として活躍するためには、目の前の数字だけではなく、その数字がどうやってできているかを考える癖をつけていきましょう。
数字への意識が強くなると、プレゼンでの説得力が増したり、目標達成の可能性を高めたりと多くのメリットがあります。
コツや裏技があるわけではないので、日々の行動から数字に対する関心を持つことが成長への近道です。その為に、上司のマネをしたり、日々の行動をモニタリングするなど数字に落とし込めるものは積極的に数値に直していくのもいいでしょう。
数字に強いビジネスパーソンになって、社会に必要とされる人材を目指しましょう!