自社の商品やサービスを説明する時にはとても流暢に話せるのに、それ以外のトークは全く苦手で続かない、という悩みを抱えている営業マン、案外多いのではないでしょうか。
特に初対面の相手には気を使うだけで精一杯、何から話せばよいかと考えている間に時間が過ぎて、肝心なことすら上手く言えないなんて事になっていませんか。
そんなことでは営業成績にも響いて、予算達成もおぼつかないですよね。
それを改善するには、いつも頭の引出しに営業トークのネタを入れておけばよいのです。
それを実現するには、生活習慣の見直しと、あと少しの努力があればよいのです。
この記事では、日々の営業活動に役立つ営業トークのネタの役割と探し方、その活用方法について解説します。
目次
営業の挨拶の後はどうしていますか?ネタ持っていますか?
営業は毎日客先を訪問しますが、挨拶の後はどうしていますか?
単刀直入に「本日は弊社の〇〇についてご紹介させて頂きます」と言って、直ぐに商品説明をする営業は稀でしょう。
冒頭に「お忙しいと存じますので、さっそく」等を付けても、相手としては真剣に聞く気になりません。
プレゼンテーションなら別ですが、相手が警戒や緊張を解く間もなく、いきなり商談を始めても、良い効果は期待できません。
特に初対面の場合は、アイスブレイクというプロセスを経た後にセールストークを開始しないと、大抵失敗に終わります。
何度も訪問している顧客であっても、用件のみを一方的に伝えるだけでは、その後のビジネスチャンスをみすみす逃してしまいかねません。
営業の基本は顧客の話しを聞くことであり、そこから顧客の課題や希望に沿った提案をすることです。
従って、相手が何も話さない一方通行の営業活動は、単なる営業の自己満足行為であり、多くの場合時間の無駄となります。
アイスブレイクを省略すると、顧客を傍観者に変えてしまう恐れがあり、商談の内容が何も伝わりません。
相手が緊張を解いて、自分から話しをしたくなる場を整えるためには、挨拶の後の営業トークが重要になります。
そのためには、日頃から営業トークのネタを仕込んでおく必要があります。
頭の引出しでも、胸のポケットでもよいので、ストックしたネタを入れておきましょう。
営業はネタ探しを習慣化する
アイスブレイクの重要性を理解した上で、問題は肝心のネタ探しです。
実は、何も特別なことをする必要はありません。
毎日の習慣を少し見直して、改善すれば大丈夫なのです。
毎朝、起床してから出勤までどうしていますか?
ギリギリまで寝て、短時間で顔を洗って身支度を整えて出勤でしょうか。
ここで少し工夫をしてみましょう。
朝の習慣を一工夫する
出勤前の忙しい時間を、一工夫してネタ探しの場に変えましょう。
具体的には以下の通りですが、これがベストかどうかは試しながら検討してください。
これまでより30分は早めに起き、朝食を食べながらでよいので、今日の予定をチェックし、スマホで朝刊のヘッドラインを追いかけてみましょう。
気になるヘッドラインは、スクリーンショットで記録しておきましょう。
朝食は必ず食べて、1日のスタートを良いコンディションで切ってください。
出勤時の移動時間ですが、スマホの画面を見続けることは安全面からおすすめしません。
その代わりに、スマホでインターネットラジオの「NHKニュース」を聞けば、幅広い情報がリアルタイムで入手できます。
6:30~8:30、平日毎朝無料で聞けるので、話題になりそうなニュースをチェックするには最適です。
出社したなら普段通りの業務をする事になりますが、仕事の合間にスクリーンショットした朝刊のヘッドラインや、NHKニュースの気になる話題を深掘りしておきましょう。
基本は朝の習慣を見直すだけです。
朝食を準備するためにスーパーやコンビニに行く場合には、旬の食材や話題のスイーツなどが出ていないかチェックしましょう。
もしおすすめの食材やスイーツがあれば、それも十分ネタになります。
また、健康に良さそうな食品があれば、それもチェックしておきましょう。
もう一工夫すると効果的
週末や休日は色々と用事があるでしょうが、少し時間を確保して趣味や読書、スポーツをすることをおすすめします。
趣味は、誰にでも歓迎される趣味はあまり無いので、使い勝手はよくありません。
読書は、話題の本を読めば即ネタに使えて便利です。
スポーツは相手によりますが、テニスやゴルフ、水泳やランニングなどは、社会人になっても多くの人が楽しんでいるので、十分ネタになります。
これだけで、とても多くのネタが集まります。
それ以外では、外回りの時に街の様子をよく観察する習慣を身に付けることです。
街を行き交う人々、駅の様子やイベント、商店街のお店、公園の花壇など、注意してみると色々な発見があります。
営業は無難なネタから始める
ネタを集めたなら、その活用をしましょう。
慣れれば意識することなく活用できますが、最初の内は練習が必要です。
先ずは無難なネタを使ってみましょう。
天気なら、「異常気象ネタ」や「自然災害ネタ」が派手で使いやすいですが、その裏で被害に遭われた人たちがいることを忘れずにコメントしましょう。
一般的な話題としては、「雨(晴天)が続きますね、お休みの日はどうされていますか?」「急に寒く(暑く)なってきました、体調管理が大変ですね」などです。
相手がどう反応するか不明ですが、沈黙が続くようなら「自分はこうしています」などと、具体的に言って話しを続けましょう。
季節なら、彼岸や夏至・冬至などが分かりやすいネタになります。
また、盆や正月、新学期や衣替え、クリスマスや土用の丑の日、ゴールデンウイークなども、「季節ネタ」としてはポピュラーです。
「間もなくお彼岸ですね、なかなか墓参りに行けません」「ゴールデンウイークはお出かけされますか?」「国産ウナギは安心ですが、やはり高いですね」などです。
季節に合わせて、ファッションやグルメ、旅行などの話題を組合わせて話しましょう。
スポーツなら、オリンピックやプロスポーツ(野球・サッカー・テニス・ゴルフ・相撲など)の話題なら、毎日何かネタがあります。
ある程度知識が無いとだめですが、「スポーツネタ」は話題が豊富なので、相手が好きなスポーツが分かっているととても便利です。
営業では能動的にネタを使う
ここから応用編です。
実際に集めたネタを上手く活用して、営業トークを豊かにしましょう。
旬な話題やその業界ならではの話しを能動的に使って、相手をより話しやすくする場を演出しましょう。
「朝刊ネタ」なら、最初から顧客の業界に直結する話題を選ぶと、話しが発展しやすいです。
「2050年カーボンニュートラル宣言が出ました、ガソリン車は無くなりますか?」、
「人工肉のハンバーガーが出ましたが、味や食感はどうなんですかね?」、
「今年はデジタル元年、マイナンバーカードが色々と便利になりそうですね」などです。
注意点は、あまり新しい話題や近未来の技術などは、不確定な要素が多く、軽々に扱うと不信感を抱かれる場合があります。
新しすぎてお互いに知識が無いと、話題が続かず気まずい雰囲気になるかもしれません。
相手が新しもの好きなど、一定の条件が合えば盛り上がるでしょう。
鉄板ネタとしておすすめは、「健康関連ネタ」です。
「〇〇が高血圧に効くみたいですね」「糖尿病の予防に△△が良いらしいです」「健康寿命を伸ばすなら▢▢がおすすめです」「40歳になったらがん検診、と言われていますが」など、健康は誰もが興味を示す話題です。
相手が日頃から、どの様に健康管理しているかを必ず聞きましょう。
中高年のサラリーマンは何らかの生活習慣病に罹っているか、その予備軍です。
そにため、結構な確率で健康オタクがいますよ。
一方、自分が健康面で気を付けていることや、使い方が難しいですが、持病があればその苦労話もポケットに入れておくと、役立つことがあります。
デリケートなネタは使わない
皆さん、「宗教・政治ネタ」は要注意ですよ。
相手の思想・信条を左右する話題は、営業トークとして好ましくありません。
例外的に、海外の大統領や首相ネタは使っても、基本的に問題はありません。
事件や事故もデリケートな話題なので、知識として持っている程度が無難です。
相手が話をすれば相槌が打てる、その程度に留めておきましょう。
事件や事故には、必ず誰か不幸な人が出ますから気を付けましょう。
割と使いやすいネタとしては、誰もが悪と認める「飲酒運転ネタ」くらいです。
営業が何度でも使えるネタ
殆ど全ての客先で使えるネタとして、名前がユニークなら「名前ネタ、読み方ネタ」や、「出身地ネタ」、「ジェネレーションネタ(〇〇世代)」など、自分に関連する事を話題にする方法があります。
その応用として、相手の名前に関心を持つ、出身地に関心を持つ、大学や専攻科目に関心を持つ事で、それをきっかけにアイスブレイクをする手法もよいですね。
会社のホームページには、社長や役員のプロフィールが載っていることがよくあります。
そこには生まれた年や出身地、学歴などが記載されているので、上手く使うと効果があります。
よく見て褒める・感心する
上級編としてよく使うのが、相手をよく見て褒めるというアイスブレイクの方法です。
先ず、ファッションで気が付いたことを褒めるパターンが一般的です。
「素敵なネクタイですね、こだわりがあるのですか?」「その腕時計、どこのメーカーですか?」「靴先まできれい、手入れが行き届いてますね。」などがあります。
その他では、会社の雰囲気をよく観察しておいて、「社員の皆さん仕事が楽しそうですね」「受付の方、とても感じがよいですね」「明るい職場で仕事がはかどりそうですね」などとも言えます。
気を付けて欲しいのですが、褒めたり感心したりする場合は、自然な感じで言わないと効果がありません。
相手によっては、上から目線ととられる危険性もあります。
また、あまり年上の相手に使うのは避けた方が賢明です。
何事も最初から上手くはいかないでしょうから、先ずは無難なネタを使って勉強してからにしましょう。
自信が付いたら、チャレンジしてみてください。
【まとめ】営業トークにネタは必須!今からネタを準備しよう
営業トークに使えるネタは至る所にあります。
そうと気付くだけで、話題はとても豊富になるでしょう。
現代は情報が溢れているので、ネタ探しに困ることはありません。
紹介したように、生活習慣を少し見直せば難なくネタが入手できるので、後は実践あるのみです。
成功体験を積み上げて、自然体で話題提供できるようになりましょう。
大事なことは、自分から話してばかりではなく、相手が話しをしたいという場を作ることです。
さあ、とっておきのネタを使って、商談を有利に進めて行きましょう。
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