リモートワークの普及などの働き方改革によって、必要性が高まっているチームマネジメント力。
組織の管理者をはじめ、マネジメントをおこなう方は特にその必要性を強く感じているのではないでしょうか。
今回はチームマネジメントの定義や、得られるメリット、目標達成のキーとなるポイントをわかりやすく解説していきます。
チームの個性を活かす視点をもつことで、スムーズなチーム運営をおこなえるでしょう。
目次
チームマネジメント力とは
まずはチームマネジメント力の概念と、今必要とされる理由を紹介していきます。
組織を上手に動かす力を身につけることも重要ですが、実践する前に概念理解から始めましょう。
チームマネジメント力の概念
チームマネジメントは、成果をあげる組織を作り上げることを目的とした概念です。
組織のメンバーが働きやすい環境づくりや、仕組化といったアクションが具体的な行動と考えられ、組織を構成する一人ひとりが最大のパフォーマンスを発揮することに重きがおかれています。
チームマネジメント力が求められる理由
この時代にチームマネジメント力が求められている理由は、働き方の変化と人手不足が進んでいるためです。
また、一昔前までは、お金やスキルが働き手のモチベーションとされていましたが、人との繋がりに重きを置くビジネスパーソンの増加していることも、チームマネジメント力が必要とされる理由のひとつです。
限られた人員や資金、時間のなかで、最大限の結果を生み出すための取り組みや能力がチームマネジメント力です。
そして、働き方の変化や人手不足といった環境の変化に対応する必要がある、組織の管理者が身につけておきたいスキルと考えられているのです。
リーダーシップとの違い
混同されがちなチームマネジメントとリーダーシップですが、まったく異なる概念であると理解しておきましょう。
チームマネジメントとリーダーシップが混同される理由は、その目的が同じであるためです。
いずれの概念も高い成果を生む組織づくりを目的としており、似たニュアンスをもつ言葉として扱われがちです。
ただし、チームマネジメントをおこなう管理者は、「リーダーシップがスキルである」ことを理解しておきましょう。
リーダーシップは達成すべき目標への手段であり、マネジメントはリーダーシップのある人材を扱う視点を指します。
リーダーシップは目標を達成するためのスキルの1つという位置づけになります。
チームマネジメント力を発揮することで得られるメリット
ここからは、チームマネジメント力を発揮することで得られるメリットを紹介していきます。
組織を俯瞰し、チームを構成するメンバーが高いパフォーマンスを発揮する仕組みを構築することで、成果以外のさまざまな利点を見出せます。
チーム内にノウハウが構築される
チームマネジメント力を発揮することで得られる、1つ目のメリットがチーム内にノウハウを構築できることです。
目標達成に活かすポイントは、次の項目で紹介していきますが、メンバーが必要なノウハウを身につけることがチームマネジメント力の発揮によって得られるメリットです。
管理者が目標への進捗確認をおこない、必要な役割をメンバーが自発的に分担するサイクルを作ることで、高いパフォーマンスを発揮しやすい環境を構築できます。
メンバーの職場に対する満足度を高められる
メンバーの職場に対する満足度を高められることも、チームマネジメント力を発揮することで得られるメリットの1つです。
チームマネジメント力が発揮されている環境を作るためには、メンバー一人ひとりの能力の正しい把握が必要不可欠となります。
そして、メンバーとの綿密なコミュニケーションが、スキル把握の効率的な手段です。この工程を経て、「能力を発揮したい」と考えている人員のニーズを自然と高められます。
アウトソーシングするといったアイデアが出る
アウトソーシングするといった新しいアイデアが出ることも、チームマネジメント力を発揮することで得られるメリットです。
繰り返しとはなりますが、チームマネジメント力は組織を俯瞰し、適切なリソースの配分をおこなうのが大きな目的となります。
そして、IT技術が進んだ昨今では、一部の業務をアウトソーシングするケースも増加しています。
このように、業務を外部に委託するというアイデアも、チームマネジメント力を発揮することで生まれる1つの考え方といえるでしょう。
チームマネジメント力を活用して目標を達成するための5つのポイント
最後にチームマネジメント力を活用し、目標を達成するためのポイントを紹介していきます。
チームマネジメント力という概念そのものを正しく理解し、チームメンバーに任せられる業務を明確にすることから目標を達成するための組織づくりが始まります。
1.チームマネジメント力の概要を正しく理解する
チームマネジメント力を活用する1つ目のポイントが、概念そのものを正しく理解することです。
特に先ほども触れた、リーダーシップとの違いはしっかりと理解しておくべきポイントといえるでしょう。
また、リーダーシップに重きを置きすぎると、マネジメントそのものがないがしろになってしまうケースも珍しくありません。
チームマネジメント力を発揮する”手段の1つ”として、リーダーシップが位置していると念頭に置いておきましょう。
2.コミュニケーションを円滑にする
コミュニケーションを円滑にすることも、チームマネジメント力を発揮するためのポイントの1つです。
チームマネジメント力を発揮するためには、メンバー一人ひとりの個性を正しく把握していることが重要です。
個性は一長一短であり、強みばかりの人材がいないと理解しておくと、チームマネジメント力をより発揮しやすくなるでしょう。
メンバー一人ひとりの個性を理解するために、面談などのアクションを起こして職場に対する満足度を高めることも可能です。
3.共通の課題を提起し、打開策を模索する
チームマネジメント力を目標達成に結びつける、3つ目のポイントが共通の課題提起をおこなって打開策を模索することです。
打開策だけでなく、課題の提起をチーム全員でおこなうことが重要です。
達成すべき目標や解決すべき課題は、権限のある管理者のみが把握するべきという考え方もありますが、スタッフ全員が同じ認識をもっていることが非常に重要です。
「解決すべき問題は〇〇」と決まっている場合でも、ミーティングでの共有によりスタッフ全員に一体感を感じさせることができます。
4.マネジメント担当者を明確にする
チームマネジメント力を目標達成に結びつける、4つ目のポイントは「管理者がマネジメントを担当する」と明確にしておくことです。
スタッフが職務を担当し、管理者がマネジメントをするという役割分担は明確にしておきましょう。
これまでに紹介してきた内容を実施すると、「メンバーにも管理する権限がある」と誤解してしまうスタッフが出てくることも事前に理解しておきましょう。
組織を俯瞰し、問題提起や打開策の抽出といったフローをチーム全体で実施しながら、マネジメント自体は管理者がおこなうという慣習づくりが重要です。
具体的なマネジメントの方法とは
管理者が理解しておきたい、具体的なマネジメント方法は次の3つです。
- ビジョンマネジメント:会社の存在意義やミッションに基づいたマネジメント手法。特に中長期的なビジョンを明確にし、そのイメージに向けて具体的な行動を1つ1つ抽出する
- マネジメントサイクル:PDCAサイクルにのっとったマネジメント手法。「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の4つのフローから構成される。評価や改善といったステップが含まれ、業務効率化に利用されるケースが多い
- メンバーマネジメント:従業員のモチベーションや意欲に重きを置いたマネジメント手法。上記のマネジメントサイクルとの併用により、働きがいのある組織を構築しやすい。従業員一人ひとりに目を向けるため、職場に対する満足度の獲得のために取り入れられることも多い
5.進捗や情報を共有する
進捗や情報の共有も、チームマネジメント力を結果に結びつけるための、大きなポイントです。
もちろん、管理者が全体の進捗を把握しておくことが大前提となりますが、「どのくらいで目標を達成できるか」の可視化と共有も、チームマネジメント力を発揮するための具体的な取り組みといえます。
また、管理者という立場には、良い事例だけでなく改善すべきポイントを周知するという取り組みも求められます。
全体の進捗を把握しながら、チーム全体に良い作用をもたらす内容だけでなく、さらに良くなる改善点を共有することで、程よい緊張感を保つことができます。
【まとめ】チームマネジメント力を鍛えて目標をクリアできる組織をつくろう
チームマネジメント力は、目標を達成する組織には欠かせない概念です。
また、その効果を発揮することで、チーム内にノウハウが構築される・職場に対する満足度を高められるといったメリットを手にすることも可能になります。
ただし、チームマネジメント力を発揮するためには、ポイントを抑えたうえでの実践が重要です。
まずは管理者がリーダーシップとの違いを正しく理解し、チームのメンバーを巻き込みつつ、適切な役割分担をおこなうことで、効果的なチームマネジメントが可能になります。