日頃から若手の営業職・販売職の転職相談を受けることが多いのですが、20代だと比較的に未経験商材や未経験業界への転職が多いです。
ただ、20代だと初めての転職経験者も多く、未経験商材だと書類選考でつまずいてしまう方が多くいらっしゃいます。
本記事は、営業・販売職専門で転職・キャリア支援を日頃から行い、営業ノウハウ本を出版する「営業・販売職のキャリア専門家」が、書類作成でつまずきやすいポイントを5つご紹介致します。
あなたが転職活動中で、書類選考の通過率が低いと思って悩んでいる時に、根本的な課題や原因を特定するためのチェックリストとしてご活用ください。
この記事でわかること
- 営業・販売職の職務経歴書の書き方の基礎
- 書類選考が通過しない時に見直したいポイント
- テクニック論ではない本質的な書類選考率の改善方法
目次
1. 職務経歴書に書いてある単語や文章が伝わっていないため、書類選考が通らない
営業や販売職経験者だと良くあるのですが、詳細な業務内容を書こうとするあまりわかりにくくなってしまうパターンです。
業界特有の単語や、商材や企業の名詞を多く使ってしまい、何を説明してるのかよくわからなくなってしっている通らない書類をよく見かけます。
同じ業界や商材を志望するならいいのですが、20代でやる転職だと年収ではなく、何かしらのキャリア軸(職種・業界・事業フェーズなど)を変えるためにすることが多いので、業界などが変わると特有の単語が通じなくなってしまいます。
「え?これ業界特有の単語なの?」みたいなのは、自分ではわからなかったりするので、別業界の人に書類を見てもらったり、業界や職種に特化した専門の転職エージェントに相談して添削してもらうと良いでしょう。
2. 職務経歴書に書いてる実績がアピールになってないため、書類選考が通らない
これは割と残念なケースなのですが「新卒で入った会社の業務が単純すぎて、書類をA部署からB部署に修正して運ぶだけのことしかしたことないです。」とか「商談は月に2回しかないです。」みたいなのがたまにあります。
大手企業や優良企業だったり、企画職に近い感じや、成績評価がゆるい会社で営業をやってきてしまった方だとこういうことが多いです。
この場合は企業を選ばず、まずは自分が営業として力をつけられる企業で1年でもいいので頑張れる経験を得られる企業を受けましょう。
プライドや世間体も引っ張って、なかなか知名度のない企業に行くのが若手だと抵抗があるようですが、実績がないということは市場価値が低いので、本当にどうしようもない状況です。
上記のような方々は、なんかキラキラした良い感じの企業を希望するのではなく、「努力しなければいけないけど力のつく環境」を選ぶのをオススメしています。
3. 何の経験が他社で役に立つのか理解できていないため、書類選考が通らない
営業や販売系の職種って目に見える資格とか、扱える言語とか制作実績とかがないので、とりあえず数字実績をすごそうに書いとこう、みたいな感じになってしまいがちです。
数字実績を書くのは間違ってないのですが、正直20代の営業や販売系の職種で大事なのは「学習能力」と言っても過言ではないと思ってます。
職種がガラッと変わる場合は勿論、営業として業界や扱う商材、対象顧客の属性などが変わってしまえば、あまり過去の実績やスキルはあてにならなくなります。
それよりも、実績を出した過程における学習能力や改善能力の方が、先方企業からしてもわかりやすく、考え方も伝わってくるので評価されることが多いです。
なので、XX人中X位で賞を取ったとか、目標達成率XXX%とか、クロージングスキルとか、ヒアリングスキルとか、あなたがぶっちぎりの1位なら詳しく書いてもいいのですが…
そこに関してはあまりダラダラ書かず、「学習能力」が次の会社でも役に立つ唯一のことである、と思って職務経歴書を書くと、面接時も話しやすいので良いと思います。
4. 自分が持ってるコトと、志望先が求めるコトが合ってないため、書類選考が通らない
書類選考には応募条件というものがあります。これは、書類の脚切りをする目的で、営業や販売系の職種は特に「職務経歴書を見たところで、正直能力がよくわからない」ので設けられています。
例えば「〇〇業界の営業経験X年以上」みたいなやつですね。そしてこれ実は、要件欄に記述されていないこともあるんです。
なんでそんなことが起こるかというと
- 単純に企業側がそんな細かい要件まで把握出来ない
- 応募要件を絞りすぎると集客人数が少なくなってしまう
という理由などがあり、当たり前ですがOKの要件とNG要件の全ての条件を漏れなくコンプリートするのは不可能に近いので、発生ベースで却下することも多いからです。
「法人営業経験3年以上って書いたけど、この商材経験だとすぐの活躍は難しそうだな〜」みたいな感じで、人事や現場が割とその場のノリで脚切りしてしまう感じです。
これはなかなか予測や把握が難しいので、運の要素が強くなってしまいます。これを回避する方法は、なるべくチェンジするキャリアの軸を少なくすることです。
例えば「今は保険の個人営業やってるけど、IT業界でエンタープライズのフィールドセールスやりたい!」みたいなのは職種と業界の2つの軸が変わり、企業側からすると「なんか未経験のことが多すぎてポテンシャルと言えど難しそうだな」となってしまいます。
なので、「一番の優先はIT業界に行くことだから、まずIT業界で入りやすい職種からやって、社内移動とかでエンタープライズのフィールドセールスの部門に行こう」とか「一旦エンタープライズ向けのフィールドセールスが出来る営業代行会社に入って、力をつけてIT業界に行こう」というような具合で、優先度を決めてキャリア設計をしていくのが良いでしょう。
まずは自分でインターネットや求人サイトで色々調べてみて、よくわからなければ業界や職種に特化した転職エージェントに相談すると良いと思います。
5. 職務経歴書に書いてある現職の達成指標がわかりにくいため、書類選考が通らない
営業・販売職だと、インターネットで職務経歴書ノウハウや、転職アドバイザーのアドバイスで「会社の評価実績を書こう」と指南されることが多いのですよね。
ただ、現職の会社が定めている評価制度やKPIなどの達成指標が、社外の人間にはわかりにくいものになってしまっている場合があり、これが逆効果を生んでしまっているケースが存在します。
大きく分けて2つのケースなのですが
- スタートアップ企業や新規事業部なのでKPI(評価制度)がめちゃくちゃ
- KPI(評価制度)がゆるく、形だけで数字成果に紐付くものになってない
というのが代表的なものです。
1. は、毎月のKPIや目標が日常茶飯事のように変わってしまい、何を打ち出していいかわからなくなってしまうことが多いです。
しかも、その事業や会社が上手く行かず途中で畳むことになってしまう悲しいケースもあります。
2. は、会社が定めてるKPIや評価制度が数字目標に紐付いていない、もしくは数字目標がなく定性的な目標や評価しかない、というケースです。
昔ながらの大手企業や、達成指標がゆるい会社に多く、過去に何度かありました。
これらの状況の方々だと、「毎月違うことをやってたので、とりあえずやったこと全部書きました。」とか「定性評価は沢山されたので、それを多めに書いてます。」のような感じで、とりあえず工夫ポイントや定性評価でも沢山アピールして、意欲満点に充実させよう!となりがちです。
でもそれを他社の人が見ても「うーん、よくわからん」で終わってしまいます。
これらの場合は、自分が出せた実績(改善された結果)を1~2個ピックアップし「ある地点からある地点において、何の数値がどうやって改善されたか」を書くと良いでしょう。
どうやって学習して改善を行なってきたか?を、事実ベースで自分で考えて述べる方が、伝わりにくい達成指標をベースに書くよりもわかりやすいのでオススメです。
【まとめ】転職の書類選考が通らない時に見直したい5つの改善ポイント
「その書類選考が落ちてる原因、本当に書類作成テクニックで解決するのかな?」というのは、上手く行ってない時ほど考えてほしいなと思います。
悩んでいる時こそ、小手先のテクニックに目がいってしまうものです。
書類通過率が悪いと、インターネットでテクニック的なことを沢山読んで、「見やすいレイアウトが大事」「意欲や好印象な事を伝えよう」「自己PRや強みを充実させよう」「数字もちょっと盛っちゃうくらい書いちゃえ」みたいなことになりがちです。
このように根本的に間違ったことを知らず識らずのうちにやってしまっていると、いつまで経っても書類選考が通過しません。
少し視点を変えてみて、この記事の5つの改善ポイントを参考に、根本原因をチェックしてみると良いと思います。
また、未経験の業界だったりすると一段と難度が上がります。そのような場合は、こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
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