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逆説の御用聞き営業メソッド!売れる仕組み作りの真髄は御用聞きにあり

御用聞き営業という言葉を聞いて、あなたはどう思いますか?

「昔の営業のやり方だよね」「効率が悪いので廃れたんじゃない」「無理せず楽な営業手法かな」等々、けっこう否定的な言葉が出てきますよね。

このように、古くて今後は使えなさそうなスキル、と思われがちです。

しかし、どれも御用聞き営業の本質を理解していません。

御用聞き営業のスキルや仕組みづくりのメソッドは、テクノロジーでビジネスが進化した現代だからこそ必要なスキルになりつつあります。

サブスクリプションビジネスが台頭し、商品がサービス化する世界では、自社が注文を受け続ける仕組みを作ることが非常に大事です。

この仕組みを作るための営業としての根幹部分は、リアルだろうとWebだろうと同じなのです。

ここではあえて、古いと思われがちの御用聞き営業を逆説的に捉え、売れる仕組み作りの真髄を深掘っていきたいと思います。

御用聞き営業とは

御用聞き営業とは、顧客の御用、つまり欲しい商品やして欲しい事を聞いて、それを期日を守って納品・実行して、金銭を得る営業スタイルを言います。

担当エリアに密着したきめ細かな営業活動で、顧客との関係を築き、得られた信頼を基に商品などを販売します。

具体的には、担当者が定期的に顧客を訪問し御用を聞いて、その注文に合せて納品して代金を回収します

多くの場合、配送を兼ねてテリトリー内の顧客を訪問し、再び注文を受けるサイクルを繰り返す

一般的には、ルートセールス、定期巡回販売とも呼ばれており、食品や部品などの有形商材のイメージが強いでしょう。

しかし現在、IT企業やSaaS企業において、カスタマーサクセスという職が注目され始めてきました。

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全てがサービス化する世界では、注文を受けるサイクルを繰り返す仕組みを作るのは、事業成長において必須になってます。

カスタマーサクセスやアカウントセールスなど、現代は既存営業に注力しつつあります。

これこそが、原点回帰として御用聞き営業のメソッドに注目する理由です。

 

御用聞き営業のメリット

御用聞き営業の最大のメリットであり強みとは、顧客=意思決定者に直接会える関係を築いていることです。

営業活動の基本である、意思決定者との信頼関係が構築され、これも基本の直接会ってニーズを聞くスタイルなので、殆どの場合注文がもらえます。

信頼が得られているので、ブランドに左右されにくく、知名度が無い小規模な会社や商店でも成功する営業手法です。

既存顧客からの評価が高まれば、新たな顧客を紹介してもらえたり、新規顧客を開拓する際の有益な情報が得られます。

「近所の〇〇さん、単身赴任が終わって自宅に戻ってきた」、「賃貸の▢▢さん宅に、今度4人家族が入居、旦那さんは50代のサラリーマン」などの、新着情報が独占できます。

リアルの場合、噂的な情報を基に訪問する、またはポスティングなどで情報提供を行ってから訪問して、新規顧客を増やします。

Webであれば、企業のサービスで使われている技術情報を基に訪問、またはメルマガやSNSやnoteなどのブログで情報提供を行ってから顧客と接点を持つ、と言い換えられるでしょう。

 

御用聞き営業のデメリット

リアルな御用聞き営業のデメリットは、テリトリーを拡大しにくいことです。

直接訪問して御用を聞くため、移動範囲や訪問日時に制約があり、テリトリーを拡大するには限界があります。

パイを広げられないなら、シェアをアップする、商品ラインナップを増やす、価格設定を高めにするなどの方法で、事業拡大をはかることになりますが、どれも実行は厳しいのが現実です。

従来、御用聞き営業は厳しい価格競争に巻き込まれない点がメリットでしたが、最近はECサイト(=Amazonや楽天市場など)の普及により、流通価格が透明化したため、価格を気にしなくては営業できなくなりました。

しかし、Webやテクノロジーを使って戦うとしたらどうでしょう?

現在は、安価に最新のITツールやテクノロジーが使える時代です。テリトリーの拡大は、ITツールで実質無制限になります。

価格競争も個別商品ではなく、商品と独自体験をパッケージ化してサービスとして提供すれば、競合に勝てるかもしれません。

このように、御用聞き営業の弱点は、テクノロジーと共存することにより限りなく小さくなってきています

 

御用聞き営業を三河屋のサブちゃんから学ぶ

リアルな御用聞き営業を学ぶために、サブちゃんのメソッドを紐解いてみましょう。

サブちゃんと言えば漫画「サザエさん」に出てくる、あさひが丘商店街の三河屋酒店の御用聞き・配達員で、青森県出身の三郎さんのことです。

温厚でポジティブな人柄の好青年で、サザエさんからの信頼は厚く、磯野家では酒やしょうゆ、みりんなどはすべて三河屋酒店から購入し、サブちゃんに配達してもらっています。

まれに配達以外のこともサブちゃんに頼むことがあり、子どもたちも含め、家族ぐるみで親しく付き合っているのです。

 

サブちゃんのアクションプラン

サブちゃんは、磯野家の勝手口から顔を出して「三河屋でーす。何か御用はありませんか?」と言っているだけなのでしょうか。

いいえ、そうではありません。

彼にはちゃんとアクションプランがあり、それに従って効率よく営業活動を行っているのです。

サブちゃんは、当然ですが三河屋さんがカバーするエリアの顧客を全て把握・管理しています

何曜日の何時ごろ行けば、注文してくれるキーマンに会えるのか、各顧客毎に把握しています。

磯野家はその中の1顧客です。

御用聞き営業のデメリットに商圏を拡大しにくいと言いましたが、体一つでテリトリーを回り、商品を配達するのですから限界があるのは明白です。

無計画・行き当たりばったりで営業活動しても、ちっとも上手く行かないし続きません。

サブちゃんは、そろそろお酒が無くなるタイミングを見計らって訪問しています。

お酒の注文をもらう際にも、みりんやしょうゆはどうかとチェックを促したり、近日中に来客があるかなど、需要の増減についてもヒアリングしているのです。

もし今日、飛び込みでたまたま商品が売れたと言っても、ビギナーズラックは何度も無いのです。

このように、計画的で効果的な顧客管理を基にした御用聞き営業のアクションプランは、非常にロジカルなメソッドになっています。

 

アクションプラン策定と実行

サブちゃん的なアクションプランを立ててみます。

先ずは顧客リストを作成します。ここには、注文サイクルを繰り返す仕組みを作るための必要な情報を記入していきます。

例えば、注文をくれる人=キーマン、住所、電話番号(FAXも)、メールアドレス、家族構成、誕生日(分かれば)、支払い方法などになります。

特記事項に、好みのお酒やおつまみ、お酒と一緒に良く注文する品物(みりんや酢など)の情報を入れておきましょう。

最後に直近の取引情報を追加し、次は何時頃新しいお酒を配達すべきかを記入します。

盆や正月にだけ、お酒を注文するお宅もあるかもしれませんね。

こうしてデータベースが完成したら、それを基に訪問計画を立てるのです。

訪問日、会える時間帯、回る順序、空き時間に配達や雑務などを組みこんで、完成です。

注意点は、いくら正確・緻密な計画を立てても、必ず空振りや無駄、予期せぬ時間延長などが起きることです。

少し余裕の時間を入れながら、効率よくしかも商談機会を失わないように、経験と行動力で積極的な営業活動をしましょう

営業活動を行った結果、修正など必要に応じてデータのアップデートを実施してください。

PDCAのサイクルをしっかり回して、より良い顧客データベースができたなら、それが大きな武器になります

 

御用聞き営業の強みを最大化

顧客を訪問し、信頼関係を構築する御用聞き営業は営業の基本です。

顧客を訪問する際に、ただ単に事実的な話を聞くだけではなく、〇〇はいかがですか、新しく▢▢が出ましたよ、酒税がアップします、などなど、顧客に気付きを与える提案スキルも重要です。

長年訪問販売を続けた結果として、得られた信頼関係を最大限活用して、受注を最大化しましょう。

これは、テクノロジー営業活動が進化した現代においても変わらない、大事な営業スキルです。

ただ、今の時代、いきなりトップダウンで関係が断ち切られる場合や、別のサービスに顧客が流れてしまうこともあります。

様々なリスクを想定しつつ、しかも右肩上がりの成績を続けるために、どうすれば良いのでしょうか。

 

先ずは自社の内部環境を見てみましょう。

取扱う商品は固定されていますか。

定期的に新製品は出ていますか。

製品価格は柔軟に対応しますか。

転売は何処まで認められますか。

ECサイトを運営していますか。

キャンペーン企画は採用されますか。

硬直した内部環境では、いくら御用聞き営業のエキスパートでも、市場環境の変化についていけないかもしれません。

一方、御用聞き営業としてどっしりと構えつつ、顧客ニーズを先読みして適切な商品を提案できれば、十分以上に通用します。

 

外部環境を分析しよう

内部環境が整っても、思うように販売が伸びないことがあります。

それは、外部環境が変化していることに気づかず、対応できていないからかもしれません。

強力な競合他社が現れた。

近くにショッピングモールがオープンした。

魅力的なECサイトができた。

顧客が世代交代した。

コスパがよい代替商品が出現した。

市場で何がおきているのか、御用聞き営業のような情報収集能力が重要です。

顧客に気付きを与える情報も大切ですが、外部環境の変化に自分が気づくために情報収集するのです。

ネットや得意先で得られた最新情報を分析し、仮説を立てて、いち早く対策しましょう。

今売っている商品や情報はいずれ陳腐化し、世代交代します。

それまで販売を最大化し、新製品投入までしっかりつなぐのも、御用聞き営業の得意分野であり、役目になります。

 

御用聞き営業のこれから

御用聞き営業の強みを存分に発揮して、安定した数字を出してきましたが、これから先はどうしますか?

この問いに正解はありません。続けるもよし、転換するもよし、テクノロジーと共存するもよし。

御用聞き営業だって、顧客に提案しますし、問題解決のお手伝いもします。

提案型営業やソリューション営業もしているのです。

三河屋のサブちゃんだって、ソムリエの資格を取ったり、日本酒検定やビア・アドバイザーの資格取得を目指しているかもしれません。

要は、御用聞き営業を続けても成績がよく、辛く無ければ問題は無いのです。

しかし、成績が上がらず、毎日辛いなら何か方策を講じる必要があります。徹底的に分析をしましょう。

 

御用聞き営業のメソッドは、売れる仕組み作りの基礎

御用聞き営業のメソッドは、売れる仕組み作りに必要な考え方であることが理解できたのではないでしょうか。

営業の基本は、意思決定者から信頼を得た上で、ニーズに応えて対価を頂くことです。

御用聞き営業は、そのプロセスが基本となっていて、基本を守ってしっかり実行することが、成功のポイントです。

営業は個人商店のようなものです。

基本がちゃんとできていれば、営業スタイルは個人個人で違っても構いません。

日々の努力と創意工夫を取り入れて、スキルをブラッシュアップして、最強の御用聞きメソッドを身に着けましょう。

御用聞き営業のメソッドは十分理解していただけたのではないでしょうか?

御用聞き営業はあくまでもテクニックの一つです。業界の営業の違いを知ることも非常に大切です。

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