「営業にはコミュニケーション能力が求められる」とビジネスマンであれば、誰もが耳にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、コミュニケーションという概念自体が抽象的であり、いまいち掴みどころがないことも事実です。
また、営業になったものの、コミュニケーションが苦手な人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、営業に求められるコミュニケーション能力が、どのようなものかを売れる営業が実践しているノウハウとともにわかりやすく解説していきます。
目次
営業に求められるコミュニケーションスキルとは?苦手な人はダメなの?
「コミュニケーションが苦手…」と考えている方は、営業に求められるコミュニケーションの定義を明確にすることから始めていきましょう。
営業に求められるコミュニケーション能力のイメージは「キャッチボール」です。
一方的ではなく、双方向で言葉を交わすことで、少しずつ信頼関係を築いていくようなイメージです。
反対に信頼関係につながらないコミュニケーションが、一方的に情報を提供し続けるというもの。
つまり、一見コミュニケーション能力が高そうに見える「ずっと話してる人」も実はあまり良くないのです。
お客様が求めていることには気を遣わず、「安くほしいものを購入する方法」や「いつが買い時か」といった情報を投げかけてしまいます。
そういった勢いに押されるお客様がいることも事実ですが、お客様自身が感じている不安や疑問を口にできないことが最大のデメリットです。
そのため、仮に契約を獲得できたとしても、受注後の継続的なお付き合いを続けることはできないでしょう。
コミュニケーションスキルの高い営業マンだけが得られる3つのメリット
「営業にはコミュニケーション能力が必要」であることは事実ですが、なぜコミュニケーション能力を鍛えるべきなのでしょうか?
その答えは、営業側にもメリットがあるためです。
コミュニケーション能力の高い営業はお客様が喜ばせるだけでなく、それなりのメリットを手にしています。
ここからは、コミュニケーション能力の高い営業だけがてにしている3つのメリットを紹介していきます。
1. 営業という仕事に対するストレスが軽減する
コミュニケーション能力の高い営業だけが手にしている1つ目のメリットが、「営業という仕事に対するストレスが軽減する」というものです。
営業にはストレスがつきものというイメージがありますが、「無理やり売り込まなければならない」「人間関係が面倒」など、ストレスを感じるポイントは人それぞれです。
ただし、コミュニケーション能力を磨くことで、「お客様が求めていないことを話さなければならない」というストレスから解放されることは間違いありません。
「ちょっと見に来ただけ」と話しているお客様であれば、買い時やお得に購入する方法といった情報は不要と判断でき、相手が嫌がることをせずに済むわけです。
2. 紹介客に恵まれる
「紹介客に恵まれる」ことも、コミュニケーション能力の高い営業だけが手にできるメリットです。
お客様と友達のように話す営業マンに、「なぜそこまで仲良くなれるのか?」と不思議に感じた経験をもっている方も多いのではないでしょうか?
コミュニケーションの高い営業マンは、手掛けるモノの専門家でありながら、一個人としても信頼関係を構築できているのです。
少し極端ではありますが、大人になってから知り合った友達のような関係を構築することは、販売したモノを引き渡したのちも継続することができ、お客様自身が自然に紹介客を連れてくる流れを作り出せるというわけです。
3. 作業効率が格段にアップする
コミュニケーション能力の高い営業だけが手にしている3つ目のメリットが、「作業効率が格段にアップする」というものです。
コミュニケーション能力の高い営業は、自然な会話のなかでお客様のニーズを的確に把握します。
そして、会話のなかで得た情報から「契約するとしたらいつ頃になるか?」を正確に推測するのです。
住宅営業の例を挙げると「すぐすぐ購入するつもりはない」と話していながら、「子どもが小学校に通い始める」と聞けば、「本当は子どもの小学校入学までには購入したいんだろうな」と判断します。
最終的なゴールを見通しながら営業活動をおこなえるため、仕事そのものを最小限に抑え、自然に作業効率をアップさせているのです。
コミュニケーションがしっかりととれていれば、「今月中に必ず契約してもらわなければならない」という理由でお客様を説得し、見込み客にするという体力を使う作業からも解放されるわけです。
売れる営業のコミュニケーションスキル!苦手な人も実践すべきノウハウ5選!
売れる営業がおこなっているコミュニケーションについて紹介していきます。
ここでは、苦手な人もできるようなノウハウをご紹介します。
営業という仕事は、自分がおこなう提案に価値を感じてもらえるかが受注の鍵です。
売れる営業マンはしっかりとした信頼関係を築き、自分がおこなう提案の価値をお客様に届けることができています。
【ノウハウ1】対個人として接する意識をもつ
売れる営業だけがおこなっている1つ目のコミュニケーションのノウハウが、「対個人として接する意識を持つ」というものです。
会社や業界によっては少し実践が難しいかもしれませんが、営業を「〇〇株式会社」というネームバリューの提案ではなく、自分とお客様のお付き合いの上に成立するものと考えています。
一言で言えば、大人になってからできた友人のようなイメージです。
社会人同士であるためなれ合い過ぎず、礼儀を重んじながら、お互いを認め合っているような関係性を構築していきましょう。
売れる営業はお客様の考えを認められるため、仮に他者の製品を選択したとしても、「お客様自身が選んだこと」とストレスを感じずに消化することができるのです。
また、一度築き上げた信頼関係は契約後も継続するため、紹介客を獲得することも可能になります。
【ノウハウ2】お客様目線で話を進める
2つ目の売れる営業だけがおもなっているコミュニケーションのノウハウが、「お客様目線で話を進める」というものです。
「専門用語を使わない」、「例えを使って説明する」といったノウハウを当たり前のように実践しています。
反対に売れない営業は、一般人にわかるかどうかを重視せず、難しい言葉であっても構わず使い続けてしまいます。
日常的な買い物でも「あの店員さんって物知りなんだろうけど、伝えるのが下手」といった気持ちを経験している方も多いのではないでしょうか?
また、売れる営業は、アイスブレイク→ヒアリング→提案・クロージングという3つのステップを丁寧に実践しています。
挨拶をしながらお客様の緊張をほぐし、丁寧な質問で不安や疑問に感じている点を聞き、それに対する提案をおこなっているのです。
扱っているモノによって差があることも事実ですが、基本的にお客様は不安や疑問をもって来店してくると考えておきましょう。
【ノウハウ3】積極的なヒアリングの姿勢をもつ
積極的なヒアリングの姿勢をもつことも、売れる営業が実践しているノウハウの1つです。
聞くだけであれば、話すのが苦手な人もで比較的にやりやすいのではないでしょうか?
ヒアリングと聞くと、お客様の声に耳を傾けるというイメージがありますが、正しくは「お客様の本心を引き出す」ことです。
ヒアリングと言っても、相手が話したいことをそのまま聞いていれば良いというわけではなく、あの手この手で話したい気持ちにさせることが重要と言えます。
お客様が話したいことを話せる質問や、相槌、アイコンタクトなどが積極的なヒアリングをおこなうための常套手段です。
ただし、アイスブレイク→ヒアリング→提案・クロージングという3つのステップで、聞く姿勢にも変化をもたせなければならないという点には注意が必要です。
アイスブレイクの段階では、扱う商品に関する疑問よりもお客様自身に関するヒアリングをおこなうことが大切であり、自分からの発信も重要です。
お休みの日の時間の使い方や家族構成などの個人情報をヒアリングしつつ、「僕も〇〇なんですよ」といった共感を挟むことで、自然に心の距離を近づけていくことができます。
【ノウハウ4】伝えたい内容を整理しておく
売れる営業がおこなっている4つ目のコミュニケーションのノウハウが、伝えたい内容を整理しておくというものです。
特に、コミュニケーションが苦手な人は、ここの準備で差がつきます。
提案やクロージングの場面では、力強く提案してあげることがお客様の心を突き動かすことがあります。
そして、その力強さを演出する要素が伝えたい内容を整理しておくという準備なのです。
ただし、お客様のことをしっかりと理解していなければ、的外れな提案・クロージングになってしまう点には注意が必要です。
アイスブレイク→ヒアリングの段階で、お客様の情報を聞き出したじょうたいでなければ効果を発揮することはないのです。
さらに、伝えたいことを事前に整理しておくことは、お客様に「簡潔さ」を感じさせる要素にもなります。
回りくどい提案よりも、「結論は〇〇です。その理由は…」という話し方ができる営業のほうが信頼を集めることは間違いないでしょう。
【ノウハウ5】見た目を意識する
売れる営業が実践している最後のコミュニケーションノウハウが、見た目を意識するというものです。
このノウハウはメラビアンの法則を根拠として、多くの営業マンが実践しています。
ただし、徹底できている営業が少ないことも事実です。
少し前に書籍化されましたが、出会って数秒間の見た目の印象で信頼すべき相手かどうかを判断しています。
そして、この印象をもとに話をするか、また話を聞き入れるかを判断しているため、数字をあげたい営業は徹底的に意識すべきノウハウと言えます。
また、見た目を意識することは、自信を確立する大きな要因でもあります。
カッコよさではなく、清潔感があり、細かい点まで注意が行き届いている印象を与えることさえできれば、お客様が自分から話し始めてくれるのです。
【まとめ】営業コミュニケーションの実践スキル5選!苦手な人もまずはチャレンジ!
営業に求められるコミュニケーション能力とは、双方向で、自然に信頼関係を構築していく能力を指します。
そして、売れている営業の多くは、双方向のコミュニケーションの中で、「お客様が話したいことを話せる」ポジションの獲得に成功しているのです。
また、お客様の情報をしっかりとヒアリングできているため、営業につきものである精神的なストレスから解放され、仕事の効率化にも成功しています。
今回紹介した5つのノウハウを実践するだけで、格段に営業という仕事が楽しく、心身ともに無理のない仕事であることを実感できるはずです。
「対個人として接する意識を持つ」、「お客様目線で話す」といったノウハウのなかで、実践できるものから実践してみてはいかがでしょうか。
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