採用という目的が共通し、混同されやすいキャリア採用と新卒採用。
しかし、企業が求める人材が異なるため、転職を希望する方は事前に違いを理解し、正しい対策を講じておく必要があります。
今回は、キャリア採用と新卒採用の違いだけでなく、企業が求める人材やメリットとデメリットの違いもわかりやすく解説していきます。
正しい知識を身につけることで、よりスムーズな転職を実現できるでしょう。
目次
キャリア採用と新卒採用の違いとは
まずは、キャリア採用と新卒採用の用語の違いを解説していきます。
キャリア採用は、中途採用と表記されることも多い採用方法ですね。
キャリアや新卒という言葉からもわかる通り、選考を受ける転職希望者によって使い分けられることがほとんどです。
ただし、年齢によって分けられるわけではなく、”最終学歴を終えてから企業に勤めた経験があるかどうか”によって区別されます。
仮に同じ22歳でも、18歳から企業に勤めていた人材と22歳から働き始める人材とでは、企業の選考基準が異なります。
企業によって基準が異なることも珍しくありませんが、国の方針である”卒業後の3年間を新卒扱いとする”という定めに従い、一般企業も同様の解釈をしています。
社会人経験がない新卒、社会人経験の浅めな第二新卒、即戦力としてのスキルを重視される中途では、それぞれ採用に対する対策も変わってきます。
キャリア採用と新卒採用の選考基準における3つの違い
次にキャリア採用と新卒採用の、選考基準における違いを解説していきます。
一般的に卒業後の3年間を新卒扱いとするという国の方針があるだけでなく、企業は採用の仕方に応じた基準を設けて、希望する人材を募集しています。
1.採用のポイント
キャリア採用と新卒採用の選考基準における1つ目の違いが、採用のポイントです。
キャリア採用と新卒採用という言葉からもわかるように、これまでの経歴によって異なる選考基準が用意されています。
キャリア採用では、年齢とポテンシャルのバランスによる選考がおこなわれ、若い人材ほどポテンシャルに期待した採用(=ポテンシャル採用)がおこなわれています。
反対に30~40代の採用は持ち合わせているスキルや職歴を基準に、採用活動をおこなっています。
新卒採用の場合は社会人歴が無い・もしくは短いことが大前提となるため、企業は、自社に就職したのちに成長が見込める人材であるかを判断しています。
2.活躍するまでの期間
キャリア採用と新卒採用を比較すると、活躍するまでの期間にも大きな違いがあります。
キャリア採用を受ける人材の年齢にもよりますが、中途である場合には多くが即戦力として活躍することを期待されています。
一方新卒採用は、ビジネスパーソンとして活躍するまでに、おおよそ2~3年ほどの期間が設けられることが一般的です。
ただし、いずれの採用方法でも、企業による違いがあると理解しておきましょう。
キャリア採用でも、数年間の実務経験を積んだのちの活躍を見込んでいる例や、新卒採用でもインターンシップなどの場で即戦力として活躍できる人材のみを募集するケースも存在します。
3.期待するスキル
期待するスキルについても、キャリア採用と新卒採用の違いが現れるポイントの1つです。
繰り返しとはなりますが、キャリア採用と新卒採用とを比較すると、キャリア採用のほうが短期間で活躍することを期待されています。
そのため、「〇〇という資格がある」、「〇〇という職歴がある」と根拠を求める人事の割合が高くなり、より実務に直結するスキルが求められるようになります。
新卒採用は入社後に教育する期間が設けられているため、よほど専門的な職務でない限り、必須スキルは存在しません。
企業が求めるキャリア採用と新卒採用それぞれのメリットとデメリット
次にキャリア採用と新卒採用の違いを、企業目線から解説していきます。
企業は期待する人材やスキルを区別するためだけでなく、これから紹介するメリットとデメリットを使い分けているのです。
キャリア採用におけるメリット
キャリア採用における企業が期待するメリットは、時間と労力を短縮できることです。
転職希望者に求められるスキルについては後述しますが、会社員の経験がある人材だけがキャリア採用の対象となります。
そのため、職歴やスキルが具体化されており、選考にかける時間を短縮することができます。
また、入社後の育成においても、時間をかけずに済むことがキャリア採用の特徴です。
企業によって研修のスケジュールは異なりますが、基本的に人事は、即戦力として活躍することを期待しています。
キャリア採用におけるデメリット
メリットの多いキャリア採用ですが、企業が抱えるデメリットも存在します。
短期間で優秀な人材を募集できる採用方法である一方で、企業の慣習や風土に合わないリスク、若手社員の活躍の場を奪ってしまうリスクが少なからず存在します。
企業の一員になるために入社するのですが、過去の経験が企業の慣習や風土に合わないことも珍しくありません。
そのため、面接などの段階で、人事担当者が人となりを把握する質問を用意するといった対策を設けているケースがほとんどです。
新卒採用におけるメリット
企業が新卒採用に期待するメリットは、画一的な育成スケジュールを設けやすいことです。
年中実施されているキャリア採用とは違い、新卒採用は4月入社に合わせた育成スケジュールを企業が組み、一度にすべての新入社員に、同じクオリティの研修を用意できます。
同じ研修担当が実施するため、「研修の質が違っていた」、「入社時期が原因だった」などの曖昧条件を除外した状態で、育成計画のクオリティを高めることが可能になります。
新卒採用におけるデメリット
新卒採用における企業が抱えるデメリットは、人材育成に大きな労力とコストがかかることです。
先ほども触れたように、新卒採用には画一的な育成計画を立てられるメリットがありますが、新入社員の離職を防ぐことは簡単ではありません。
会社組織で働いたことがなく、他の組織の良し悪しを知らないため、一度モチベーションを失った社員にやる気を蘇らせるような取り組みが求められます。
会社としてのルールやマナーだけでなく、働く理由を明確に伝える必要がある点が新卒採用の大きなデメリットといえるでしょう。
キャリア採用と新卒採用それぞれの必要な対策の違い
最後にキャリア採用と新卒採用の、それぞれに必要な具体的対策の違いを紹介していきます。
先ほども触れたように、企業は採用形態により明確に対象者を分けています。
キャリア採用であれば何かしらの職務経験のあるビジネスパーソンを、新卒採用では卒業後3年以内の方を対象としているため、その目的に合わせた対策が必要となります。
エントリーシート編
キャリア採用と新卒採用で対策を使い分けるべき1つ目のポイントがエントリーシートです。
エントリーシートでは、これまでの経歴やもっている資格、志望動機などを明記しますが、企業が深く知りたいと感じているポイントは志望動機です。
企業の人事は志望動機を読み、どのくらいの熱量があるか、そしてロジカルな思考ができるかを確認しているとされています。
ただし、熱量とロジカルな思考をチェックしているエントリーシートでも、全員が同じ内容を書けば受かるものではありません。
ロジカルな思考は必要ですが、新卒採用ではいかに熱意を感じさせるエントリーシートを書けるかが大きなポイントです。
またキャリア採用では、「なぜ自社を希望するのか?」の明確さがカギとなるため、他社との違いなどを用いて、志望動機を分かりやすくロジカルに伝えましょう。
自己PR編
自己PRも、キャリア採用か新卒採用かによって使い分けたいポイントの1つです。
自己PRもエントリーシートと同様に、これまでの経験やロジカルな思考を用いますが、経験のない新卒者は一貫性を、会社員の経験がある中途採用の方は職歴を重視して選考されます。
新卒採用では自己分析の傾向を把握し、自分がなぜそのような行動をとったかを明確に記載していきましょう。
「私は昔から人前に立つことに関心があり、キャプテンを経験しました。このような特性を御社の営業で活かしたいです」などの表現を用いることで、行動と性質の一貫性をアピールすることができます。
また、キャリア採用では、これまでの職歴から役立つ経験があると伝えることで、自然な自己PR文を作成できるでしょう。
面接編
キャリア採用と新卒採用の違いにより対策を分けるべき3つ目のポイントが面接です。
キャリア採用と新卒採用では、企業の目的が異なります。
面接において人事が確認したいポイントも異なるため、自然と用意しておくべき質問や回答にも違いが生まれます。
具体的には新卒者には人柄や将来性を、会社員を経験している人材には利益につながる根拠の確認をされます。
学校を卒業したばかりの求職者は、職歴を深堀りできない分、人間性が確認されます。
一方キャリア採用では、これまでの経験をもとに会社で活躍するイメージの具体化をします。
このような違いを理解して面接の事前の対策をおこないましょう。
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【まとめ】キャリア採用と新卒採用の違いを理解して効率的に転職しよう
転職活動において、キャリア採用と新卒採用の違いを理解することは非常に重要です。
仮に新卒採用が順調に進んだ経験があっても、キャリア採用がスムーズにいかない転職希望者も珍しくなく、その根本的な原因は企業が意図する目的を理解できていないことです。
今回紹介したようにキャリア採用と新卒採用とでは、採用のポイントや活躍するまでの期間、期待するスキルが大きく異なります。
これらの違いを理解したうえで、具体的な対策をおこない採用に臨みましょう。