営業の仕事はきついし、ノルマがあって大変だと思っていませんか?
体力も精神力も必要だし、上下関係も厳しいので、やっぱり体育会系の仕事だと思っていませんか?
確かにそんな会社もありますが、それは随分昔のイメージです。
最近の営業は、IT化が進んでどんどん変化しています。
それに伴って、必要な知識やスキルも少しずつ高度になってきています。
その結果、体育会系と言われていた営業スタイルも変わってきました。
この記事では、これまでは体育会系と言われてきた営業の、新しいスタイルを紹介します。
営業という職業に興味がある方の参考となれば幸いです。
目次
営業は「体育会系のイメージ」だけではない。営業という職業をきちんと理解しよう
営業とは、会社が製造または取りあつかう商品・サービスを、顧客に販売することで対価を得て、それによって会社に利益をもたらす職業です。
営業による利益がなくては、会社は存続・発展できません。
営業は、企業にとって無くてはならない職業であり、大変重要な役割を担っています。
一般に、営業には個人予算が課せられており、成果が直接給与や昇進に影響します。
そのため、営業の最前線は予算を達成するため、とても厳しい所があります。
その分、良い結果が出れば、達成感ややりがいもしっかり感じられます。
予算達成に向けて
予算を達成するために行う営業活動は、先ず見込み客を見つけて、自社の商品やサービスがどれだけお客に貢献できるか、その魅力を説明します。
次に、競合他社との差別化を行ったり、採算表を提示したり、実際に商品やサービスを利用している実例を紹介したりします。
営業は、成約するためにあらゆる努力を惜しまず、安直に価格対応せず、誠意と熱意を前面に出して営業活動を行い成果をあげます。
営業は多くの場合、毎月予算に対する進捗を報告し、上司の指導を仰ぎます。
進捗が捗々しくない場合は、更なる見込み客を見つけるために行動します。
従来からの商談件数を増やす手法として、「飛込み営業」を行うことがよくあるパターンです。
飛込み営業は、体力的にも精神的にも結構タフな営業活動です。
足を使って件数を稼ぎ、断られてもめげずに次のターゲットを目指します。
その繰り返しが、成果に結びつくかどうか不透明ですが、遮二無二行動します。
その活動は、まさに体育会系に相応しいと言えるでしょう。
一方、予算を達成した場合でも、その喜びも束の間、直ぐに新たな予算が課せられます。
扱う商品・サービスによりますが、また一から始めなくてはなりません。
毎月、毎年このくり返しが、一般的な営業の日常です。
体育会系が有利?
従来は、営業はきついし、厳しいと言うのが当り前だったため、そんなタフな現場には体育会系出身者がフィットしていました。
上司や先輩にも体育会系出身者が多く、そのつてを頼って就職した営業マンも何人かいたりします。
職場の雰囲気が体育会そのものという会社もあり、人によっては全く合わないと感じてしまうこともあるでしょう。
そんな会社が多かったせいかもしれませんが、営業には体育会系が良いという概念がありました。
厳しい上下関係で過ごし、礼儀正しく、休日出勤や残業も厭わず、接待が続いてもタフなイメージが体育会系の営業にはあります。
しかしながら、現状を見て体育会系の営業の方が良いかというと、そんなに優位性はありません。
体育会系で無くても大丈夫
確かに体力は無いより有る方がマシです。
しかしながら、そこまで体力勝負の営業活動はありません。
健康であれば誰でも勤まると思って間違いありません。
現在では、営業には体育会系が良い、または有利な条件は殆ど無くなりました。
タブレットやスマートフォンの普及で、重いカタログや参考資料を必要以上に持ち歩くことは無くなりました。
さらに、新型コロナの影響で、飛込みは不可能になりました。
顧客訪問回数も減少傾向で、替わりに電話やメールによるコミュニケーションが主体になっています。
変化に合せて、デスクワークが増えてきています。
CRMやSFAなどのITツールを駆使して、見込み客のターゲッティングを行ったり、商談経過報告をしたり、予算達成への見込みを出したりします。
データが共有されているため上司にも同時に伝わりますが、直接報告を行った方が良いケースが多いでしょう。
デジタルマーケティング時代と体育会系営業
日常生活の至る所にインターネット網が有り、1人に1台スマートフォンが普及しつつある現在、営業活動も根本から見直されています。
そのような状況下で、デジタルマーケティングが勢いを増しています。
AIの利用もますます盛んになってきました。
デジタルマーケティングは、インターネット広告やSNS、メールなど、あらゆる電子的なコミュニケーションツールを利用して、お客に働きかける営業手法です。
個々の多様な消費動向にきめ細かく合せた広告や働きかけを、ITツールを駆使して行い、消費を促します。
口コミやランキングサイトなどの訪問回数や滞在時間、TVのCMや実店舗での消費動向まで、総合的に情報収集して、分析し対応していきます。
収集したデータをAIを使って解析することで、消費動向の予測を行い、より効果的な営業戦略を立てたりもしています。
顧客を訪問すること無しに、効果的な営業活動を網羅的に行えるデジタルマーケティングは、体育会系の営業活動とは対極に位置する手法でもあります。
もちろん全ての営業活動が、デジタルマーケティングに統合される訳ではありません。
これまで培った営業のノウハウも十分効果があります。
どうする?体育会系営業
体育会系営業には厳しい話かもしれませんが、世の中の流れはデジタルマーケティングに向かっています。
営業に更なる生産性向上を求めると、必然的にデジタルマーケティングになって行くからです。
それでは、体育会系営業は、どうすればよいのでしょうか。
答えは、営業の基本は対人ということです。
全てをデジタルで済ませる事は不可能ではありませんが、それだけで顧客満足が満たされるかと言えば、そうではありません。
営業マンに「直接聞きたい」「確かめたい」「納得したい」などの要望は確かにあります。
顧客には、「特別扱いして欲しい」「大事にして欲しい」などの希望もあります。
この様なニーズに応える営業活動は、当面無くならないでしょう。
ただ、これまでのように顧客を探さなくても、顧客の方からリクエストが来るという仕組みが、デジタルマーケティングによって構築されるのです。
従って、体力や精神力で勝負する必要はありません。
デジタル時代の営業は、体育会系でなくても十分対応ができるのです。
これからの体育会系営業
新たな時代に通用する体育会系営業を目指すなら、先ずはデスクワークに慣れましょう。
これまでのように、営業は外回りと思い込んではいけません。
自分の机に座って、じっくり落ち着いて仕事を見直しましょう。
もしも、パソコンをメール確認や旅費精算ツールとしてしか使っていないなら、直ぐに改めなくてはなりません。
先ず、CRMやSFAを起動して、何処まで利用できているか確かめてください。
入力内容が不十分だと、得られるデータの質があまり良くないことがあります。
自分で入力できる情報は、時間を使ってできる限り詳細に埋めてください。
仮説思考を身に付ける
さて、その後は何をしますか?
CRMやSFA活用方法がよく分からないなら、詳しい人に教えてもらいましょう。
社内には、OA担当者またはIT担当者が在籍しているはずです。
正直に話しをして、分からないことを教えてもらい、早く応用操作を覚えてください。
今後は社内でしっかりデスクワークをして、見込み客を絞り込んだり、新たな顧客をどのように定義して見つけるのかなど、仮説を立てて考えてみましょう。
仮説を立てるには、フレームワークを使います。
4P分析、4C分析など、有名なフレームワークを使って考える習慣を付けましょう。
仮説を立てたら、実際に顧客をリストアップしましょう。
そのためのデータは、目の前のパソコンにあります。
CRMやSFAに仮説で出した条件を入力すれば、顧客が絞り込まれます。
絞り込んだ顧客に対して営業活動を実施して、その結果を踏まえて新たな仮説を立てて行きます。
最初は上手くいきませんが、PDCAを回して、くり返し仮説思考を行うことで、やがて歩留まりが良くなっていきます。
デジタルマーケティングを利用する
会社がデジタルマーケティングを推進しているなら、具体的に何をしているかを調べてください。
利用できるツールは何があるのか、現在どんな情報が集まっているのか、実際の所、顧客にはどの様なアプローチをしているのかなど、情報収集をしてください。
商談として利用できる情報が有るなら、直ぐに活用してみましょう。
体育会系のフットワークの良さと、最新のデジタルマーケティングへの理解、SFAツールの活用で、万全の体制にしておきましょう。
これで、今後営業活動に大きな変化が起きても、大丈夫です。
積極的に変化に順応して、新しい営業スタイルを身に付けましょう。
【まとめ】働き方、営業手法の変化により、体育会系営業は衰退する
営業を取り巻く環境は、どんどん変化してきています。
特に、新型コロナの影響は、国策としてのIT化推進が示すように、顕著に現れています。
そうであるなら、変化を待つのではなく、自ずから変化して行かなくてはなりません。
変化を楽しむくらいの気持ちが大切です。
体育会系の営業には向かい風かもしれませんが、早く新しい環境に慣れて先頭集団に加わっていきましょう。
デジタルマーケティングは、必ず営業活動の効率化・生産性向上に欠かすことのできない武器となります。
どの会社でも営業活動をカバーするため、順次導入されて行きます。
変化を受け入れつつ、これまでの営業経験も生かして活躍しましょう。
体育会系の積極的な行動力に加えて、デスクワークもしっかりできる営業に自分から変わりましょう。
その結果、やっぱり営業は体育会系が一番と、証明できるとよいですね。
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