「ベンチャー企業の営業職が気になるけど、大手企業や中小企業と何が違うんだろう」「ベンチャー企業に転職して、きちんと活躍できるのかな」と、ベンチャー企業の営業への転職に、不安な気持ちを抱いているあなた。
もしあなたが、現在大手企業や中小企業に在籍しており、ベンチャー企業への転職を意識しているなら、ベンチャー企業と一般企業における営業職の違いを明確に知っとかないと痛い目を見ます。
筆者は日系のベンチャー、フリーランスの営業経験があり、大手企業の営業支援も行っています。これら経験をもとに、ベンチャー企業の営業と、大手企業の営業の違いについて徹底的に解説していきます。
目次
ベンチャー企業の営業に転職すると、会社内でどんな立ち位置になるか?
ベンチャー企業の営業は、最も重要なポジションと言っても過言ではありません。
というのも、特にベンチャー企業が設立されたばかりのスタートアップ期は、企業や商品に対する知名度が低いからです。
どんな事業でも、まずは知ってもらうことで成長するため、認知度を高める営業の仕事は、大切な役割を果たすのです。
ベンチャー営業と大手営業は違う!転職のリスク3選
身に付くスキル/スキルの磨き方
一般企業では、営業部がチームごと・グループごとに分かれているため、それぞれが連携を取って売上目標の達成を目指します。
そのため、個人ノルマを追うだけでなく、営業でもチームワークを大切にした動きが求められるのです。
自ずとコミュニケーション能力や顧客・仲間との折衝能力が身に付くでしょう。
また、研修が充実していることが多いので、着実に知識を身に付け、ある程度自信を持った上で、業務に臨むことができるでしょう。
ベンチャー企業は、従業員数が少なく、少数精鋭の体制がほとんど。
それぞれが自律して働くことが求められるので、自分自身で考える力や、考えを伝える発信力・提案力、指示がなくても動ける行動力など、自律的な能力が身に付きます。
また、研修はOJTが多く、能力次第で数日〜数週間のうちにひとり立ち。とりあえずやってみて、その後プラスαで教えてもらうイメージです。
任される仕事/裁量の大きさ
一般企業では、営業部の中でさらに分業されていることがあります。新規・既存顧客で分担していたり、エリアごとに担当を分けていたりと、想像以上に細かく分業化されていることも。
その場合、任された役割を全うすることが最優先事項となり、決められたことを決められた通りに行います。仕事内容は限定的で、裁量を持って働くことは難しくなるでしょう。
ベンチャー企業の場合は、「一応新規担当だけど、場合によっては既存も任せる」「一旦、インサイドセールスを任せるけれど、直接訪問もするかも」などと、業務範囲が曖昧であることが多いです。
すなわち、裁量を持って幅広く任せてもらうことができます。
それに伴い、新たな営業手法を試してみたり、自分なりに提案資料を作成したりと、アイデアを活かせる場面が出てきます。
その分責任は伴いますが、自由度の高い働き方だといえます。
仕事に対する評価のされ方
中小企業・大手企業は社員数が多く、チームごとに評価されることが多いです。また、何千人と社員を抱える超大手企業の場合、個々人の成果を細かく見定めることが不可能に近い場合も。
事実、営業も昇給・昇格は安定的で、成果が反映されにくい面があります。
成果を出さなくても最低限の待遇が保証される反面、売れっ子の営業にとっては、納得しづらい評価制度であるといえます。
ベンチャー企業は、商品やサービスをこれから売り出していくので、営業一人ひとりの成果がダイレクトに企業の成長を左右します。
営業に頑張ってもらわなければ、企業が成長しないと言っても過言ではないため、インセンティブや成果報酬型の制度を設けることで、営業のモチベーションを維持している企業が多いです。
また、社員の成果や人柄によっては、入社数ヶ月〜数年で昇格することも珍しくありません。
ベンチャー企業の営業は、成果を的確に評価されやすいのです。
ベンチャー企業に営業で転職する際の3つの心構え
自社製品やサービスを隅々まで理解する
一般企業の営業にも言えることですが、ベンチャー企業の場合、さらに大切になります。
特に大手企業の商品・サービスは、既に多くのシェアを獲得していることも多いので、事細かく把握していなくても、ネームバリューで売れることもあります。
それに比べてベンチャー企業は、商品やサービスをシビアにみられます。
商品・サービスの特徴はもちろん、メリットやデメリット、競合との相違点、市場の最新情報など、隅々まで把握しておくことで、営業活動で信頼を獲得しやすいです。
顧客との接点を多く持てるようにする
ベンチャー企業は、企業や商品、サービスに対する知名度がないことがほとんどです。
まずは社長の友人・知人の紹介や、異業種交流会などのイベント参加などを通して、顧客との出会いを増やしましょう。
また最近では、FacebookやTwitterなどSNSで発信することで、新たな機会が生まれることも。
まり一つのやり方に固執せず、様々なやり方を試してみると良さそうです。
営業活動の結果を次に活かす
ベンチャー企業は、商品やサービスに対するフィードバックが蓄積されていません。
そのため、毎回の営業活動を“売って終わり”にせず、次に活かすことが必要不可欠です。
具体的には、商品・サービスを使った感想をヒアリングし、不明点や改善点があればそれを他部署に共有。
顧客の声を反映させることで、的確にニーズに応えられる商品・サービスに成長していくはずです。
ベンチャー企業に営業で転職して活躍出来る人とは?
会社の評価制度のスタンスにマッチしている人
一般企業の場合、年功序列の風土が残っているところが多いです。どれだけ売上を上げても、多少インセンティブで還元される程度だという声もよく聞きます。
ベンチャー企業の場合は、代表の経歴や会社の意向でこの辺が大きく変わります。
成果を上げた分だけ潤沢なインセンティブで反映されるような会社もあれば、全くインセンティブにはねないような評価制度の会社もあり、入社前に見極めが必要です。
自由な雰囲気に抵抗のない人
ベンチャー企業は、大手企業や中小企業と比べ、自由な雰囲気であることがほとんど。
営業職でもオフィスカジュアルや私服勤務が当たり前だったり、ほとんど在宅勤務のような働き方できたりと、社内ルールが寛容であることが多いのです。
「大手企業の狭められた範囲でしか行動できないルールだと、パフォーマンスを発揮しきれない…」といった自由主義の方は、力を出しやすいといえます。
成長意欲を持っている人
一般企業の営業はルーチンワークが多く、仕事をこなしたり、手を抜いたりすることができてしまうことも。
しかしながらベンチャー企業は、少数精鋭の体制であるため、それぞれが成果を出せているかが重視される傾向にあります。
社長や社員のマインドも「自社の商品やサービスを絶対に広めよう」「前期より売上を伸ばすぞ」と、ハングリー精神を持っていることが多いので、成長意欲を持って働ける人がマッチしやすいです。
自分が活躍出来るかどうか見極める方法
このように、ベンチャー企業は経営陣の経歴や社風で活躍可能性が左右されてしまいます。
こういった情報は、なかなかWebサイトだけではわからないので、①口コミサイトを活用するか、②転職エージェントに聞くか、③直接企業の人に会って聞くのが良いでしょう。
①口コミサイトは、最も簡単に情報が手に入りますが、内容の信憑性が薄いです。
②転職エージェントは、信憑性の高い情報が手に入りますが、業界や職種などに特化したエージェント会社の人に聞かないと情報を持ってない場合があります。
③直接企業の人に会って聞くのが、最も確実に信憑性の高い情報が手に入りますが、知り合いの中から探すか、選考に応募して通過しないといけないので手間やハードルが高いです。
一長一短なので、自分の状況に合った形で情報収取をしていくと良いでしょう。
【まとめ】ベンチャー企業へ転職するリスクは大したことない。大手との違いを知ることが大事
本記事では、ベンチャー企業の営業の特徴をお伝えするとともに、ベンチャー企業の営業ならではの働き方や、働く心構えをご紹介しました。
同じ営業職でも、企業の規模感によって、仕事の特徴は大きく変わります。本記事である程度イメージを掴んでいただけたかと思いますが、「ベンチャー企業によっても、営業の進め方って違いそう」「どうやって自分に合ったベンチャー企業を見つければいいの?」と、新たに不安な気持ちが生まれた方もおられるのではないでしょうか。
ベンチャー企業はイメージでリスクが大きすぎると言われるかもしれませんが、リスクを知った上で入社することができれば、大したことはありません。
そしてあえて言うならば、ベンチャー営業には向き・不向きがあります。ベンチャー営業の裏側については、こちらの記事で解説しています。
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