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スタートアップ転職は企業選定で9割成功が決まる?選び方や探し方まで解説

スタートアップで働くのって非常に面白くて、キャリアにとってかなり良い経験になります。もちろんきつい部分もありますが、それを乗り越えてこその成功体験は、あなたのキャリアにとって最も素晴らしい経験になるはずです。

でも、どうすれば自分に合うスタートアップが見つかるのか、自分にとってどんなスタートアップ企業なら転職しやすいのか、どうすれば上手く選考通過するのか、どのスタートアップなら活躍できそうなのか、など…全然わからない。

スタートアップ経験者が、内情に焦点を宛てた転職に関する情報ってあまりないので、案外ブラックボックスなんです。

でも、スタートアップへの転職で最も大事なのは、業界やプロダクトの種類のような表面的なものではありません。

社内事情や従事する業務などの、具体的な企業選定なのです。普通にはわかりにくい部分が、一番大事なんです。

本記事では、様々なフェーズのスタートアップの転職/採用支援をしてきた筆者が、スタートアップへの転職で大事な基礎知識から、転職の際の選定基準、実際の応募テクニックまで解説。

自分に合うスタートアップ企業を探す方法や、応募の際のポイント、やってはいけない応募の仕方までわかるようになっています。

正直、スタートアップに転職するなら、この記事の内容は全て頭に入れといた方がいいです。

当記事の情報を上手く活用し、ご自身に合ったスタートアップへの転職を勝ち取って頂ければ幸いです。

スタートアップ転職での企業フェーズの見分け

まずは、基礎の基礎として、大枠のスタートアップの見分け方を解説します。

世の中の全ての事業や商品には「プロダクトライフサイクル」というのがあり、技術的革新によって事業として興され、停滞を迎えて市場から消えていく、この青い曲線のように流れていきます。

このグラフ上の【導入期】【成長期】という前半から2つの各ステージがスタートアップ企業にも当てはまり、当然事業や商品と密接に繋がっているスタートアップ企業では適応することが出来ます。

まずはこの2つのフェーズごとに、スタートアップ企業を分類し整理します。

※【成熟期】と【停滞期】の企業は、スタートアップではないためここでは紹介しません。

 

導入期のスタートアップ

導入期は、いわば企業の準備期間。いわゆるザ・スタートアップ企業です。

このフェーズのスタートアップは、新規顧客を開拓することはもちろん、以外の業務を任されることもありそうです。

例えば、業務フローを整えたり、新たなサービスを立ち上げたりすることも。

導入期のスタートアッ業では、組織の立ち上げをゼロから関われることが大きな魅力。

会社が立ち上がって間もないため、組織のルールや決まり、業務の進め方など、まだまだ決まりきっていないことが多いです。

そのため、創業メンバーと一緒になって、ゼロから新しいものを生み出すことになるでしょう。

世の中の常識に縛られず、社会に新たな価値を提供する事業を会社と共に作っていくことができるので、大きな反響を得られやすいことも面白さのひとつです。

一般的には、ベンチャー企業の区分けの仕方としては、シードステージアーリーステージと。

または、資金調達段階(投資ラウンド)の区分け方としては、シードラウンドシリーズAラウンドと呼ばれています。

 

成長期のスタートアップ

その次に訪れるのは成長期です。事業内容によって成長スピードには大きな違いがありますが、事業が一気に拡大するフェーズ。

ゼロから新しいものを生み出すというよりは、既にある事業を大きく、更に良くしていくことが求められます。

具体的には、売上を達成するために、社員全員が一丸となって担当業務を遂行します。

個人でノルマを追うというよりは、チームワークを活かしながら、企業の目標を追うような雰囲気です。

新規・既存問わず様々な顧客と出会い、時には新たなビジネスチャンスに恵まれるなど、刺激的な機会を得ることもあるでしょう。

また成果を出すことが出来れば、主軸となるサービスやプロダクトを軸に、導入期よりもリソースを確保した上での新規サービスに携わることも可能でしょう。

一般的には、ベンチャー企業の区分けの仕方としては、ミドルステージレイターステージと。

または、資金調達段階(投資ラウンド)の区分け方としては、シリーズBラウンドシリーズCラウンドと呼ばれています。

 

スタートアップの転職前に知りたい実業務について

先程見たプロダクトライフサイクルの段階によって、全く違う職種と言える程、行う実業務も変わります

スタートアップの転職で後悔や失敗をしてしまう人は、ここを理解出来ていないケースが非常に多いように思います。

例えば営業や事業開発職で言えば、特に先程見てきたプロダクトライフサイクルの導入期〜成長期ののコア業務は、ステージごとに、事業開発 → 事業開発セールス → セールスと変化していると、私は定義しています。

色々な用語が出てきてしまいゴチャゴチャしてますが、その辺は興味があればご自身で調べてみてください。

この表では一旦、「スタートアップの営業と一言でいっても、企業のフェーズによってメインでやることが違うんだな」と理解できればOKです。

業務内容を詳しく書くと、記事何十本分にもなってしまうのでここでは割愛しますが、最低限「どんなフェーズで、どんなことをするのか?」くらいは、企業の選考を受ける前に把握をしておくと良いでしょう。

特に大手や中小企業から、いきなりスタートアップに行く時は、何もかもが違いすぎます。そんなケースに当てはまる営業の方は、こちらの記事も参考に頂くと良いでしょう。

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要するに、実業務が企業のフェーズごとに違うので、スタートアップと一言でいえど、どの企業でも同じ業務をやると思ったら危険、ということを知ってほしいのです。

転職をする前に、自分にとってはどこの業務なら活躍出来るのか?どのフェーズでチャレンジをしてみたいのか?その辺りまで細かく見た上で、スタートアップは見極めた方が良いでしょう。

 

スタートアップ転職での求人の探し方3選

ここまでで、スタートアップにどんなフェーズや職務内容があるのかを整理してきました。

ここからは、なかなか探しにくいスタートアップの求人の探し方を見ていきます。

 

求人サイトで探す

まずはシンプルに、求人サイトで探すと良いでしょう。リクナビやdodaなどに登録すれば、有名な企業は一通り見つけることが出来ます。

また、ベンチャーやスタートアップのスタートアップの求人を見つける際は、GreenWantedlyという無料の採用募集サイトを活用するのも手です。WebやIT業界の求人に強いので、コアな企業を見つける事ができるはずです。

ただし、スタートアップ企業に関していえば、求人媒体や行きたい企業によっては、かなり通過率が低くなってしまう場合があるようです。

ある方は、依頼していたエージェント経由の書類通過率が平均50%だったものの、とある某大手求人サイトの応募からの書類通過率だけ10%以下だった、なんて事例も聞きます。

特にコロナ後は書類通過率が下がっているので、書類対策や応募経路に関しては、かなり慎重になった方が良さそうです。

 

企業データベースを活用する

なかなか馴染みがないかもしれませんが、企業データベースを使って見つけるのも有効です。

INITIALSTARTUP DBdatavese.ioというサイトなどは、スタートアップやベンチャー企業に特化した、無料のデータベースサイトです。

非上場企業に特化したデータベースになっているので、業界を賑わす見つかりにくいスタートアップ企業の情報が手に入ります。

企業データベースだけでは求人情報の有無までは確認できないので、企業名だけ把握して、採用情報から別途求人を探すと良いでしょう。

 

テック系ニュース媒体から見つける

TechCrunch JapanBRIDGE日経 xTECHなどのニュース記事で検索をかけるのも手です。

特に資金調達のニュース記事を読み込むと、「資金用途は採用費」など書かれてる場合が多いので、そういった記事に記載されている企業名から、求人を見つけていく方法もあります。

このように、なかなか見つけにくいスタートアップの求人ですが、色々な方法で見つけていくことが出来ます。

 

スタートアップ転職での3つの企業選定基準

探せば色々と出てくるスタートアップの求人情報ですが、選定基準を持つのがなかなか難しいですよね。

その1・その2で見てきたこととプラスして、ここからはスタートアップに転職するなら、最低限知っておきたい選定基準を3つご紹介します。

 

チームの指針が明確であるか

スタートアップではは、「個別の能力 ✕ 組織力」でかなり左右されます。

勿論初期フェーズであればあるほど、個々の実力は必要ですが、スタートアップだからこそ組織の向いてる方向性がてんでバラバラだったり、指針がふわっとしているとかなり成果が出しにくいです。

スタートアップに転職する際は、しっかり現場の人の話も聞きながら、チームや組織の状況を把握すると良いでしょう。

 

自分が解決したい課題であるか

スタートアップでは、サービスが小さく不完全なケースも多いため、様々な提案を顧客に出来るわけではありません。

また、インセンティブもそれほど望めないので「そのサービスが解決しようとしてる課題」に共感が出来ないと後々苦労することになります

そうなると、例えば営業なら、共感値が高くないと自信を持って営業出来ませんし、顧客のためでなく自分の売上のために営業をしても、長期的な成果が出にくいですよね。

スタートアップに転職する前は、この辺をじっくり自問した方が良さそうです。

 

役員や経営陣の出身バランスがいいか

規模が大きい会社ではあまり見なくても大丈夫ですが、規模が小さいスタートアップ企業やベンチャー企業を受けるのであれば、ここは必ず把握しておく必要があるでしょう。

規模が小さい企業は、役員や経営陣の意向で組織の方向性がかなり左右されます

例えば、エンジニア出身の役員しかいない企業が資金調達をした際に、いの一番に考えるのはおそらく開発のことになります。

調達した資金は開発チームに集中します。優秀な人材の獲得、ツール利用や研修なども、まず開発チームから優先されるでしょう。

そうなると営業チームのレベルアップや、優秀な営業人材を揃える順番は後回しになってしまい、場合によっては給与にも響きます。

このように営業にとっては、せっかく新しい挑戦をして成長したい、あるいはキャリアアップしたいと思って転職しても、会社の中において立場がなければ、自ずと自由度が低くなってしまうのは避けられません。

全ての企業がこうなるという訳ではありませんが、これらを知った上で入社したのか、全く知らずに入社したのかでは、入社後に組織の現実を感じた際に、精神的な心構えに大きな差がつきます

ここは選定基準の1つとして、しっかり持っておきましょう。

 

スタートアップ転職での応募の際の注意点

色々調べていると、ワクワクする想像を掻き立てられてすぐに応募したくなってしまいますが、一旦ぐっと我慢してください。

スタートアップの転職では、新卒就活の頃のリクナビ・マイナビ登録と同じように「気になるのはとりあえず適当に沢山応募」をするのはかなり危険と言えます。

適当な応募申し込みは勿論、場当たり的な面接対策などをしてしまうと、自分が知らないうちに損をしたり、後になってから痛い目を見る可能性があります

ここではスタートアップの転職の際に、適当に応募すると痛い目を見てしまう代表的な理由を3つご紹介します。

 

母数が少ないけど人気

成長領域の場合が多いスタートアップ企業ですが、成熟した産業ではないため優良企業数が少なく、更に求人数もそこまで多くないです。

そしてコロナの影響もあり、働き方が柔軟なスタートアップの求人は、人気になっているため、特に優良なスタートアップ企業には応募者が殺到しています

異業界のトップセールスからの流入も増えているため、スタートアップ経験者であっても、適当に応募するとお見送りになる可能性があるのです。

殆ど準備をせずに、良さそうな企業を適当に試し応募をしていたら、いざちゃんと準備して本気でスタートアップへの転職活動をスタートしよう思い立った際に「応募したい優良企業がなくなってしまった…」なんてケースも。

しっかりと自分の軸を見つめ直し、スタートアップ向けの転職準備や対策を行ってから、求人に応募するのをオススメします。

 

採用管理システムで応募者データを管理している

スタートアップ企業の多くは、 最先端の採用管理システムを使って応募者を定量的に管理しています。

そのため「過去に自社の求人へ応募しているかどうか?」なども把握出来てしまうのです。

書類情報をしっかり準備してない状態で適当に応募をしてしまったり、面接準備などあまりしないで悪い印象で選考お見送りになってしまうと危険です。

数年後に改めて応募した際に「この人、前に変な理由でお見送りになってるな」とバレてしまいます。注意しましょう。

 

リファレンスチェックをする可能性がある

当たり前ですが、場当たり的な面接回答は避けましょう。特に嘘などはもってのほか。

スタートアップの人々は、他業界と違ってノウハウの情報開示コミュニティ交流が活発で、オンラインやオフライン問わず情報が回る速度が速いです。

私が運営しているスタートアップ営業コミュニティでも、日々様々な情報が流れてきています。

また、最近はリファレンスチェックを簡単にできるサービスなども出ており、経歴や実績の嘘は、後々見破られてしまう可能性が高いです。

勿論、他業界においても虚偽はよくないですが、面接では場当たり的な吹聴は避け、真実を話すように心がけましよう。

 

スタートアップ転職でより良い応募をする2つのポイント

前述の通り、スタートアップへの転職では、適当な求人応募を続けると、あとあと痛い目をみることになります。

逆に、しっかりと自分にあった求人を見定めれば、選考通過や内定可能性も上がります。応募前の段階から、戦略的に活動しましょう

特にここで紹介する2点を把握し、しっかり準備してから応募するのをオススメします。

 

持っているスキルとの合致

求人には必須要件や歓迎要件など、応募の際に最低限必要となる経験やスキルの要件があります。特に必須要件を満たしていない場合は、書類選考がほぼ通りません

ただし、企業側が本質的に求めている経験を満たせていれば、求人票の必須要件を満たしていなくても、書類の書き方やアピールの仕方で通る可能性もあります

念入りにリサーチを行ったり、スタートアップ業界に精通してる人から話を聞けばわかることもあるので、求人を見て「いいな」と思っても、まずは一呼吸置きましょう。

しっかりと要件を見定めた上で応募すれば、確度は必ず上がります。その点をしっかりと頭の片隅において、スタートアップの求人に応募するようにしましょう。

 

将来的なキャリアとの合致

自身のキャリアの軸をしっかりと定めた上で「本当に今その企業に行くべきなのか?」「いまこの企業に転職するのが適切なタイミングなのか?」など、キャリア軸はしっかり定めておきましょう。

また、企業との太いパイプを持った転職エージェントであれば、スキルや経験を満たしていなくても、キャリアや将来軸を考慮した上で推薦してくれるケースもあります

企業と深い繋がりを持った転職エージェントが、あなたの代わりにプッシュや追加のひと押しを伝えてもらうことが出来るのです。

Web求人の応募では出来ない、他人よりも一歩先を行ける戦術となります。

この辺りは、ご自身と向き合って考え抜く必要がありますが、スタートアップ企業は、過去から将来までの人生軸を大事にしている企業が多いので、しっかり準備しておきましょう。

 

(まとめ)スタートアップの転職は企業選びが一番大事!

このように、スタートアップの転職は、企業選びを念入りにすることが最も重要です。

また、何も考えずに適当に受けまくると、かなり痛い目を見る可能性が高く、応募の仕方もかなり重要です。

逆に言えば、しっかりと戦略的に準備し、自身の軸をもって求人に応募をすれば可能性が高まると言えます。

 

実際の面接でも、一般的な企業とは少しスタンスが異なります。

こちらはベンチャー企業の面接対策記事ですが、スタートアップ転職でも同じなので、面接対策をしたい方はご参考頂くと良いでしょう。

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また、「スタートアップってどれくらいきついの?」って部分に関しても、企業を受ける受けないを考えるより前に知っておきたいですよね。

スタートアップやベンチャーの営業において、実業務におけるきつい裏側的な部分や、キャリアへのメリットの解説などをこちらでしています。

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